Interview

ボストン・レッドソックス 上原 浩治 投手

2014.02.11

 ボストン・レッドソックスの上原 浩治投手。2013年、シーズンを通して大活躍を見せ、チームやファンから絶大な信頼を得ました。その結果、MLBワールドシリーズを制した瞬間、マウンドに立っていた唯一の投手となったのです。
 そんな上原投手といえば、高校では開花しなかったものの、大学で一気に花開いた選手の1人としても有名です。その要因の一つ、高校を卒業してから一気に体がパワーアップしたというトレーニングでは、何に気を付けたのか。また、苦しい時を乗り越える考え方を教えていただきました。

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芯を強く!自分の中でライバルを作る!

――2013年、ワールドシリーズを制覇。しかも胴上げ投手でした!優勝された時、どんな風景でしたか?

ボストン・レッドソックス 上原 浩治 投手

上原 浩治投手(以下「上原」) キャッチャーと抱き合って、気づいたら囲まれていたっていう感じなので。風景は覚えていないですね(笑)感情としては、『やっと終わった』という思いでいっぱいでした。

――高校時代の上原投手から見たら、どんな世界だったでしょう?

上原 高校時代は、(メジャーリーグの)イメージは、なかったですね。(もし高校時代の自分が見たら)何も言えないっていうか、驚いたっていう感じですね。

――高校を卒業してからのトレーニングで一気にパワーアップしたと伺いましたが、その時期どんなことを考えてトレーニングをしていたんでしょうか。

上原 体の基本を作るっていうことだけを考えていました。まだまだ成長段階ですし、そんなに急激に伸びると思っていなかったので。とにかくウエイトで体を、芯を強くしようとしていただけです。

――芯を強くするというのは、どういった考え方ですか?

上原 体の軸です。そこを強くする。ピラミッドでも一番下の基本的なものをきちんとしていれば、上にどんどん良いものが足されていくわけですから。それと一緒です。土台作りです。走り込みも、ウエイトトレーニングもそうですしね。

――トレーニングのやる気が起きない時にどうやってモチベーションをアップさせていますか?

上原 自分の中でライバルを作ることです。それでも、もちろん途中でやめたいという気持ちが出てきますけど、そこを妥協すると伸びなくなります。

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球児へのアドバイス

ボストン・レッドソックス 上原 浩治 投手

――野球を途中で嫌いになったりしたことはありますか?

上原 やっぱり試合に出られなくて、モチベーションが下がった時期が、そうですね。高校の時は、レギュラーではなかったので、面白くないって感じた時期もあります。

――そこから1年野球から離れた時期もありました。でも最終的にはドラフト1位候補になるまでの部分で、精神面の変化はありましたか?

上原 大学時代ですね。大学での野球が楽しかったんです。楽しいともっともっと頑張ろうという気持ちにもなるし。それが一番じゃないですかね。

――野球への向き合い方というものも、変わってきましたか?

上原 大学3年生くらいになってやっとプロを意識し始めました。その辺くらいから、やっぱりきちんとトレーニングしないとな、とか。

――上原選手のように活躍できる為のアドバイスをお願いします。

上原 結局はやり続けないことには、プロ野球選手にもなれないだろうし、野球をずっと続けてほしい。コツコツと継続した積み重ねが大切だと思います。

――「嫌い」から「好き」へと前向きになるために何かきっかけが必要だと思いますが、上原選手は今、野球が「楽しい」ですか?

上原 仕事にしてしまうと楽しいっていう部分はちょっと無くなるかもしれないですけど、まず好きなことを仕事にしているっていう、そういう喜びはあります。

――では、「2013年の自分をどう超えていきたいか」を踏まえて、シーズンの振り返りと今年の目標について教えてください。

上原 2013年を振り返ると、素晴らしい1年だったとしか言えないです。それを超えることは不可能です(笑)。
 まあ超えたいというか、現役をやっている以上は常に上を目指している訳ですから、そういう気持ちだけは失わないようにしたいです。

――成績以外で、ピッチャーとしての進化の部分もでしょうか。

上原 ピッチャーとしても結局まだ完成していないので、完成するまではどんどん頑張って努力していかなあかんと思っています!

 やめてしまったり、妥協をすると伸びなくなる。続けることの大切さと苦しさ、そして続けた結果の成功を知っているからこそ説得力のある言葉ですね。
 上原投手、貴重なお話ありがとうございます!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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