Column

元プロ指揮官が率いる東海大甲府。本音を語り合ったミーティングで結束深める

2024.07.08


今大会、連覇を狙う東海大甲府は春の県大会8強でとどまったが、夏はシード校として出場する。

課題を残した春

6月末、練習試合で都内に足を運んだ東海大甲府は2連勝して、夏に向けて弾みを付けた。この春から元プロ野球選手・仲澤広基氏が監督に就任。名将・村中秀人氏から受け継いだ新体制で初めて迎える夏を前に、主将・益岡潤平は「大会中も成長できるようにしたい」と現状に満足していない。実際に練習試合では「序盤には課題があります」と2連勝で終わった練習試合のなかにも、課題を見出している。残り期間はわずかだが、課題に向き合い続ける姿勢だ。

ただ一方で、「チームの状態は良い」と大会連覇へ上向きにあることを明かすと同時に、「1、2回戦で負けるようなチームだったところから冬場を経て、ここぞの集中力・爆発力や中盤以降の粘りが出てきたのは大きな成長です」と春先からの収穫を明かした。

ミーティングをする東海大甲府

たしかに秋季県大会では2回戦で帝京三に1対5で敗戦。いち早くオフシーズンに入り、長いトレーニング期間を過ごした。
トレーナーの指導も入ったおかげで、パワーとスピードがきちんと磨かれ、「ポテンシャルだけなら、全員先輩たちにも負けていない」と益岡主将は自信を持つほど充実の冬場を過ごした。

飛びにくいと噂された2024年導入の新基準バットに対しても、困惑することがほとんどなくアジャストした。順調に春季県大会へ準備が進んだと思われたが、準々決勝・日本航空の前に6対8で敗れ去り、ベスト8に終わった。

「冬場のトレーニングを通じて成長できたことに手ごたえはありました。けどそれを勘違いしてしまって、『勝てるだろう』って考えてしまい、集中しきれないまま戦ってしまいました」(益岡主将)

大会連覇へ「自分たちのやるべきことをやります」

夏の山梨大会連覇へ、シード権は死守したものの、思うような結果には至っていない。益岡主将のなかでも、「自分が主将として自覚をもって、自分が変わらないといけない」と考えて、無我夢中でチームを引っ張ってまとめようとしてきた。

でも、結果が伴わない。「自分だけが違う方向に行ったり、熱量が違ったりした」と益岡主将は反省をするが、チーム全体を見渡しても、自身のアピールに熱中してしまったと振り返る。

そこで益岡主将は、「本音で話し合えるようにしたい」ということから、ひとまず主力選手である長野凪斗と、2人だけのミーティングを開いた。

東海大甲府のミーティング模様

「長野は普段から冷静で真面目な選手なので、求めていることがつい多くなってしまう。だから時々、こっちから『もっとやれるだろう』って言っちゃうこともあるんですが、彼のなかでは気に食わない時があったみたいなんです。
なので、2人だけで話し合いをしてみると彼なりの主張があって、それが自分と合っていなかったんです。だけどそのとき、『俺たちが同じ方向を見ないとチームが変わらない』と思って、泣きながらミーティングをやりました。あれがなかったら、ここまで成長できていないと思います」(益岡主将)

寮の消灯時間である23時から特別にもらった30分。その2日後には3年生だけのミーティングを開いたことで、チームは団結した。それには益岡主将の気づきがある。

「まとめるのではなくて、まとまることが必要だと思ったんです。
去年は、主将の兼松さんなどが活躍してチームをまとめることができました。しかし、今年は兼松さんほどずば抜けた選手がいるわけではない。それでも勝つにはとチームとしてまとまらないと勝てないということを話し合いました」(益岡主将)

東海大甲府・益岡潤平主将

チーム一丸となってまとまる。東海大甲府はこうして春の県大会を終えてから状態を上げてきた。大会まで残りの期間は少ないが「課題に向き合いながら、試合で長所を出せるように、自分たちのやるべきことをやります」と闘志を燃やした。

開会式では、前回王者として優勝旗の返還という大役を務めた益岡主将。その優勝旗はもう一度、自身の手元に戻ってくるのか。元プロ野球選手の指揮官・仲澤監督とともに挑む2年連続夏の甲子園への挑戦が始まる。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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