試合レポート

勝てなかったシード校・東京成徳大高を変えた「丹沢・大山登山」!培った団結力でおよそ1年ぶりの公式戦勝利!【24年夏の東東京大会】

2024.07.10


<第106回全国高校野球選手権大会東東京大会:東京成徳大高8-0都立北豊島工科(7回コールド)>◇9日◇明治神宮野球場

【トーナメント表】夏の東東京大会 ここまでの結果一覧

昨年、一昨年と2年連続でシード校になり、強豪校の仲間入りをしつつある東京成徳大高であるが、この1年は苦しんだ。
秋は1次予選の初戦で工学院大附に3-10、7回コールドの大敗を喫した。2年連続でシード校になったプライドを打ち砕く完敗であった。「自分たちは勘違いしていました」と森田 正裕監督は言う。
気が付けば上級生と下級生の間に壁ができて、コミュニケーションがうまくできないような状況になっていた。野球以外のところに目を向けるべきだと感じた森田監督は、10月に丹沢の大山に指揮官も含め全部員で登山した。標高1252メートルの大山登山は、かなりきつい。みんなで励まし合いながら登るうちに、部内にあった壁もなくなった。

東京成徳大高にとって次の課題は、エースを作ることであった。野手は主将の大向 利幸捕手(3年)など夏の経験者も多い。しかし投手は、エース候補として1年生ながらベンチ入りした上野 陸が夏場に体重を落とし、球に力がなくなり、秋はベンチ入りすらできなくなった。そこで上野は、他の部員は練習している時もおにぎりを食べるなど、とにかく食べて体重を増やした。その結果、昨年の夏から体重を14キロ増やした。「最初は重く感じましたが、9回を通して、強い球を投げることができるようになりました」と上野は言う。
いまは最速が132キロで、スライダー、カーブ、チェンジアップなどを投げる。春の1次予選は、他の投手が先発して打たれて、都立町田に6-9で敗れたが、2年生になったこの夏は、満を持して先発のマウンドになった。

上野は1回表いきなり四球で走者を出したものの、その後は落ち着いた投球で都立北豊島工科打線に付け入るスキを与えない。上野は5回を投げて被安打1,与死球2の無失点で試合を作った。攻撃では1回裏に6番・小川 健翔一塁手(2年)が満塁の走者を一掃する二塁打で3点を先制すると、その後もバントのなどを小技も交えながら加点していき8-0。7回コールドで勝利を収めた。公式戦の勝利は、昨年の7月16日以来で、この代になってからは初勝利になる。相手校と力の差があったのは確かだが、東京成徳大高にとっては貴重な勝利だ。大山登山で団結した選手たちは、この夏、トーナメント表の山を登り始めた。

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この記事の執筆者: 大島 裕史

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