試合レポート

98年夏、甲子園準優勝を経験した京都成章・松井監督が勇退。教え子の京都国際・小牧監督とのラストゲームを終え「楽しんでやれました」と晴れ晴れ【24年夏・京都大会】

2024.07.14


試合後に談笑する京都成章の松井常夫監督(左)と京都国際の小牧憲継監督

<第106回全国高等学校野球選手権京都大会:京都国際3-0京都成章>13日◇2回戦◇太陽が丘球場

【トーナメント表】夏の京都府大会 これまでの結果

春の近畿王者・京都国際が初戦突破。エース左腕の中崎 琉生(3年)が5安打1四球で完封した。

敗れた京都成章は松井 常夫監督が退任を表明。これが監督としてのラストゲームとなった。

松井監督は京都成章の部長として1998年夏の甲子園準優勝を経験。2005年から監督となり、11年春と17年夏にチームを甲子園へ導いた。教え子には北山 亘基(日本ハム)らがいる。

還暦を迎える今年で監督生活のピリオドを打つことを決め、1年前には選手にも伝えていたという。

区切りとなる夏の初戦で対戦することになったのが今春の甲子園にも出場した京都国際。相手の小牧 憲継監督と宮村 貴大部長は京都成章の教え子で、23年前は松井監督が部長、小牧監督が主将、宮村部長がエースというチーム編成だった。

「根性がありましたね。1年生からレギュラーで、素晴らしいキャプテンでした。泥臭い野球をやれる子で、それを今は京都国際で体現してくれているので、感動しています」と小牧監督について語る松井監督。「試合をして終わるのであれば、京都国際龍谷大平安とやりたい」と思っていたそうで、願ってもない組み合わせだった。

京都成章は4人の継投で相手の攻撃を3点に抑えたが、中崎の前にあと一本が出ずに完封負け。試合が終わると、多くの選手が泣き崩れた。

高校通算18本塁打を誇る4番捕手の尾崎 蒼真(3年)も「絶対に松井先生を甲子園に連れていくと思って頑張ってきたんですけど、無理でした。もっと試合がしたかったです」と涙。大学で野球を続ける予定となっており、「絶対にプロに行って、松井先生に恩返しをしたいです」と飛躍を誓った。

最後の采配を終えた松井監督は「楽しんでやれました。ようやってくれました」と晴れ晴れとした様子。今後も部には残り、新体制をサポートしていく予定だ。

試合後には小牧監督が恩師のもとを訪れ、二人で握手。「松井監督には人として成長させて頂きました。勝ち続けることが一つの恩返しになると思いますので、母校の思いも組んで勝ち上がっていきたいと思います」と決意を新たにした。

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この記事の執筆者: 馬場 遼

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