試合レポート

Cシード・西武台、144キロ右腕のエースの好投で初戦突破!【24年夏・埼玉大会】

2024.07.15


大竹 悠太(西武台)

<第106回全国高校野球選手権埼玉大会:西武台 2―1 秀明英光>13日◇2回戦◇県営大宮球場

【トーナメント表】埼玉大会 トーナメント表

夏らしい天気が戻ってきた県営大宮球場の第2試合は、Cシード・西武台 vs 秀明英光。先発は西武台が「1週間前からお前で行くよ」(河野監督)と、MAX144kmのエース大竹 悠太(3年)、一方の秀明英光は「大矢は春も投げているんですが、振ってくるチームには割と嵌る子なので」(秋山監督)と、1年生の技巧派左腕・大矢 勇斗(3年)が登板し試合が始まる。

試合は投手戦となる。

西武台・大竹は直球中心、秀明英光・大矢は変化球中心、対照的な投球でピンチこそ招くが得点を与えない。

均衡を破ったのは西武台であった。

5回表、西武台は一死から9番・小川 海空斗(3年)が四球で出塁すると、続く小崎 俊介(3年)がレフト線へ二塁打を放ち一死二、三塁とする。ここで2番・長島 直人(3年)がレフトへきっちりと犠飛を放ちまず1点、さらに続く神杉 勇波(3年)も右中間へタイムリー三塁打を放つなど、西武台が2点を先制する。
これを受け、秀明英光ベンチは先発・大矢から2年生エース・菊池 孝輔へスイッチする。

一方の秀明英光は、6回裏、この回先頭の斎藤 彪真(2年)がセンター前ヒットを放ち出塁すると、続く飯塚 蓮(3年)の所でベンチはエンドランを仕掛ける。これは内野ゴロとなるが、一死二塁とする。二死後、5番・鈴木 智也(3年)がレフト前タイムリーを放ちすぐに1点差とする。

その後も、西武台・大竹、秀明英光・菊池両投手の好投により試合は2対1西武台1点リードのまま進む。

西武台・大竹がそのまま好投する。

結局、西武台が接戦の末、秀明英光に競り勝つ。辛くも1点差で逃げ切り初戦を突破した。

まずは秀明英光だが、「大竹くんに対しては低めの変化球を捨てて8安打を打てたんですが先頭打者があまり打てなかった。継投はあくまで大矢、菊池。順番を変えると全然ダメなので。大矢はスピードこそ遅いが動くし、直球と変化球の出どころが一緒なので良い打者になればなるほど嵌る。メンタルも強くて昨日もメンバーを発表する予定だったが間違って帰ってしまって慌てて呼び戻したほど。菊池は既に140kmくらいは出るようになっている。今日はボールが来ていなかったが」(秋山監督)と、大矢、菊池の両投手はよく投げたと賛辞を送る。打線も西武台・大竹を相手に8安打を放ったが、あと一本が出なかった。

一方の西武台は、この日は大竹に尽きる。
「昨年と同じシード同じ曜日、同じ私学で初戦敗退したので意識はした。気を緩めることもなかったですし、大会を勝ち上がっていく上でどこにピークを合わせるかは難しいので、標準は先に合わせた上で初戦は落とせない。難しい中選手はよく頑張った。こういう展開になるのは想定していたので地に足を付けて戦おうと。攻撃面ではうちらしい攻撃は一切できなくて守備で持ち堪えた。元々打撃は水物でそこまで期待していないので、やるべきことはできたたのでは。大竹の先発は盤石な状態で行きたかった。そのための準備もしてきた。序盤は直球が走っていなかったが、後半走ってきたので信頼して見てました。秋山監督が普通の投手で来ないのはある程度想定内でしたが、想定以上に嵌った。短期決戦なので修正しないと。ただ、3回表、峰島が二塁から還って来なかったり、5回表神杉がランニングホームランにできるのに還って来れなかったり。走塁面はずっとやってきたことなので、詰めが甘かった。走塁の部分は修正しないと勝ち上がれないので修正していきたい」(河野監督)と、大竹へ賛辞を送る。ただし、今春は主に大竹をリリーフに回していたが、この日は先発完投した。夏は消耗戦だけに。今後の戦い方が重要になる。

この記事の執筆者: 南 英博

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