2017年のセ・リーグセーブ王獲得し、2016年から4年間、阪神タイガースのリリーバーとして活躍したラファエル・ドリス投手(ドミニカ共和国出身)。今年4月から四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスでプレーしていたが、帰国が決定。9月1日、日本での最終登板に臨んだ。

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ドリスは愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた愛媛マンダリンパイレーツとの8回戦で登板した。8回裏、3対4と1点ビハインドの場面でマウンドに上がると、いつも通り淡々と投げ込む仕事人ぶりを発揮する。

打者4人に対し16球を投じ、一死から内野安打を1本許したものの、最速150キロのストレートと140キロ中盤のツーシーム、130キロ後半のフォークを投げ分け、最後は138キロのフォークで空振り三振に仕留めてみせた。

登板後は「ファンの皆さんがまるで家族のように接してくれた」沸き上がる感情を抑えられなかった。阪神タイガース時代にチームメイトだった愛媛の三塁コーチャー・伊藤 隼太コーチ(中京大中京)と言葉を交わすと、溢れ出る涙を抑えながらチームメイトのハイタッチに応じた。

試合後『高校野球ドットコム』の独占取材に応じたドリスは「日本でのプレーを希望していた自分を受け入れてくれたことに感謝している。阪神タイガース時代と同じくらいみんなが温かく接してくれた」と高知球団への感謝を述べると同時に「応援ありがとうございました。皆さんがSNSを通じてくださったメッセージのおかげで、ここで投げられることができました」と日本のファンにメッセージを残した。

阪神時代は208試合に登板に96セーブ28ホールド防御率は2.49。高知では21試合に登板し36回を投げ1勝3敗5セーブ・防御率2.50の成績を残した。7月からは5度の先発マウンドにも上がるなど常に挑戦の姿勢を崩さず「これからも野球を続け、トレーニングして成長したい」と、さらなるチャレンジを誓ったドミニカンの魂は、高知のみならず四国アイランドリーグplusに末永く刻まれることだろう。

なお、試合は愛媛が高知に4対3で勝利し2位の座を守ったものの、首位を独走する徳島インディゴソックスが香川オリーブガイナーズに3対0で完封勝利し、後期優勝マジックを4としている。徳島は9月5日の高知戦まで3連勝すれば、後期では3年連続、2022年後期から通算して5季連続となる半期シーズン優勝が決定する。