<令和6年度秋季近畿地区高等学校野球大会県二次予選:市和歌山7-5日高>6日◇3位決定戦◇紀三井寺公園野球場

 市和歌山が接戦を制して、3年ぶり14回目の近畿大会出場を決めた。

 試合は前半から点の取り合いとなり、5回表を終えて3対2と日高がリード。1点を追う市和歌山は5回裏、二死一、二塁のチャンスを作る。ここで3番の石山 大翔(2年)が「抜けたと思って、(打った瞬間に)自然に声が出ました」と右越え2点適時三塁打で逆転に成功。続く森本 健太郎(1年)も左前適時打を放ち、リードを2点に広げた。

 しかし、日高も粘り強い戦いを見せ、6回表と7回表に1点ずつ奪って同点とする。追いつかれた市和歌山は7回裏、二死二、三塁と勝ち越しのチャンスで打席に立つのは5番・井上 漸晟(1年)。「打ち損じでしたが、良いところに飛んでくれました」と2ボール1ストライクから三塁線を破る2点適時打を放ち、これが決勝点になった。

 井上は10人兄弟の三男。2人の兄はかつて近大新宮でプレーしており、3歳上の長男・槙晟さんは一昨年秋に三塁手として近畿大会出場、2歳上の次男・慎晟さんは捕手として今夏の和歌山大会準優勝を経験している。

「僕も含めて上の3人は親を甲子園に連れていきたいという思いがありました。兄の分も頑張っていきたいと思います」と井上は語る。2人の兄があと一歩で届かなかった甲子園出場に向けて、近畿大会に挑む。