<令和6年度秋季近畿地区高等学校野球大会県二次予選:智弁和歌山1-0和歌山東>8日◇決勝戦◇紀三井寺公園野球場

 智弁和歌山が1対0で和歌山東に勝利。2年ぶり18回目の優勝を果たした。

 智弁和歌山は4回表に相手の失策で1点を先制。このリードを渡邉 颯人(2年)から宮口 龍斗(2年)の継投で守り切った。

 先発は前日の準決勝で7回86球を投げていた渡邉。「疲れはなかったです」と安定した投球を見せる。三者凡退で抑えられたのは3回だけ。それ以外の回は全て得点圏に走者を背負ったが、要所を締めた。

 渡邉は8回を投げて11安打を浴びながらも1四球5奪三振で無失点。「必ず勝つんだという思いでいきました」という中谷 仁監督の期待に応えて見せた。

 守備陣も渡邉の粘りの投球に応える。5回裏と8回裏には二死一、二塁から安打を浴びたが、5回は中堅手の藤田 一波(2年)、8回にはこの回途中から右翼に入った奥 雄大(2年)がそれぞれ素晴らしいバックホームを見せ、走者をアウトにした。

 今年は渡邉を中心に投手力の高いチーム。新チームがスタートしてからは「守り勝つ野球ができたら」と中谷監督は守備に力を入れてきたという。2つのバックホームについては「しっかりと練習の成果を出してくれたと思います」と評価しており、守りの面では持ち味を発揮することができた。

 9回裏には宮口が登板。一死から代打・長島 亘汰(2年)の4球目にこれまでの自己最速を1キロ更新する150キロを計測する。さらにその2球後には暴投ながら152キロをマークした。 「少し抜けてしまったんですけど、あれを投げ切るのが次からの課題だと思います」と話した宮口。スピードボールに目が行きがちだが、変化球の精度も高い。長島には粘られたが、2ボール2ストライクからの8球目にカットボールで空振り三振を奪った。「変化球でカウントを取ることを課題にしていて、それで取れたのは大きかったです」と頷く。

 世代トップクラスのスピードボーラーに名乗りを上げた宮口。「自分の持ち味であるストレートをどんどん投げ切ってアピールしていきたいです」と意気込む。近畿大会でもその実力を見せつけてくれそうだ。