優勝を逃した阪神だったが、若きエース・才木浩人(須磨翔風出身)にとってはキャリアハイのシーズンになった。今シーズンは8連勝を記録するなど先発ローテーションの柱として君臨し25試合の先発でQS率80%と絶大な安定感を誇った。

 そんな才木の投球成績を振り返ると、13勝はキャリアハイでリーグ2位タイ。137奪三振(リーグ3位)、防御率1.83(同3位)、勝率.813(同2位タイ)と投手タイトルを狙える位置につけていた。

 もしの話だったが、最優秀防御率を獲得することができれば、一昨年の青柳晃洋(川崎工科出身)、昨年の村上頌樹(智弁学園出身)に続いてチームとして3年連続でのタイトルホルダー輩出となっていた。

 過去に同一球団から異なる3投手による3年連続で最優秀防御率のタイトル獲得は、日本ハムが1980年から1982年までの3年間で木田勇(横浜第一商出身)、岡部憲章(東海大相模出身)、高橋里志(敦賀工出身)が獲得した例がある。

 今回、才木はタイトル奪取とならなかったが、エース格の投手を複数人揃えて、3年連続でタイトルを狙える投手が現れることは非常に難しい。

 阪神は優勝を逃したが、安定感抜群の先発投手が多いことは、来季にとっても大きな強みになるだろう。才木はトミー・ジョン手術を乗り越えて、22年にカムバックを果たし、エース格へ成長した。来季もタイトルを狙える投球ができるか注目だ。