<秋季東京都高校野球大会:淑徳 6-2 成立学園>7日◇1回戦◇コトブキヤスタジアム

 この夏の東東京大会でベスト8の淑徳が、甲子園出場経験のある成立学園を破り、2回戦に進出した。終わってみれば淑徳は、全員安打の14安打の猛攻。しかし8回裏に2点を追加するまでは4-2の接戦で、打ち勝ったという感じではない。むしろエース・八重尾 蓮(2年)の落ち着いた投球が光る試合だった。淑徳の中倉 祐一監督は「バッテリーが残っているのは大きいです」と語る。

 この夏淑徳は5回戦で日体大荏原を破り準々決勝に進出しているが、新チームの主将でもある捕手の下居 優斗(2年)は、夏は5番打者で、新チームで4番打者。夏も背番号1であった八重尾は、日体大荏原戦では4回1/3を無失点に抑え、勝利に貢献した。

 新チームになって、3年生が抜けたこともあり、「9イニング投げることを意識しています」と八重尾は言う。そのため、ピンチは全力で投げるものの、普段は6割、7割の力で投げることを基本としている。最速は134キロだが、カットボール、スライダー、シンカー、カーブ、スプリットなど、持ち球の多さが、力をセーブしながらの投球を支えている。5回表に失策もあり2失点したものの、終始落ち着いた投球。「リラックスして投げることができました」と八重尾は語る。打っては安打2本を放っており、「バッティングも大好きです」と八重尾は言う。

 淑徳は3年前の東東京大会でもベスト8に進出しているが、「今の選手は3年前のベスト8をみて入ってきた子たちです」と中倉監督は言う。それだけに八重尾、下居のバッテリーだけでなく、チーム全体に意識は高い。

 淑徳は、もとは女子校で1992年から共学になっている。昨年の夏は、同じように女子校から共学化した共栄学園が甲子園に行っている。3年前に続き、この夏もベスト8まで進んだ淑徳も、東京の強豪校になりつつある。秋の大会も含めこの代は、それを一歩進める戦いが期待される。