ソフトバンクが4年ぶりのリーグ優勝を決めた。主軸の柳田 悠岐(広島商-広島経済大)が離脱するなど故障者が出たにも関わらず91勝と圧倒的な強さを見せたのは、戦力が充実していたからに他ならない。

 そこで昨シーズンは一軍で戦力となれていなかったが、今シーズン戦力として活躍している復活した選手とブレイクした選手を振り返ってみたい。

 野手では正木 智也(慶応義塾高-慶応義塾大)が大きく成長した。2021年ドラフト2位の大砲候補だが、昨年はわずか15試合の出場で打率.038(26-1)と低迷。戦力とはなれなかった。しかし今年は80試合に出場。打率.260(263-71)、7本塁打と大きく成績を伸ばした。スタメンでの起用機会も増え、来年は外野のレギュラーを狙う年となりそうだ。

 育成ドラフト出身の川村 友斗(北海高-仙台大)と緒方 理貢(京都外大西高-駒澤大)の2人も飛躍した。3月に支配下登録された2人は様々な起用で川村は88試合、緒方は86試合に出場した。特に川村は9月22日の楽天戦でプロ初本塁打を放つと、優勝を決めた9月23日のオリックス戦でも3安打猛打賞、2打点と結果を残し優勝を大きく手繰り寄せる活躍を見せた。

 投手ではスチュワート・ジュニアが先発ローテーションの一角に加わった。MLBのドラフト会議で1位指名されながらも入団せずソフトバンクにやってきた大型右腕だったが、5年を終えて勝ち星はわずかに3つと苦しんできた。しかし6年目を迎えた今年は20試合に先発。9勝4敗、防御率1.95と安定した成績を残した。クライマックスシリーズでも先発の機会はありそうだ。

 中継ぎでは現役ドラフトで加入した長谷川 威展(花咲徳栄高-金沢学院大-北海道日本ハム)がキャリアハイの32試合に登板。4勝0敗6ホールド、防御率2.49と左の中継ぎとして結果を出した。登板数に対してホールドは少なくまだ僅差リードの場面における登板は多くない。しかし左の中継ぎとして貴重な役割を担ってきた。

 正木やスチュワートら今シーズン開花した選手たちがこれからのソフトバンクを引っ張っていくことに期待がかかる。