<文部科学大臣杯第76回全日本大学準硬式野球選手権大会:中央大3-2日本大>◇24日◇1回戦◇さがみどりの森県営野球場

全国大会で12回の優勝経験を持つ中央大。対して6回の全国制覇を果たしている日本大。関東のみならず、全国区の大学準硬式の名門同士が1回戦で激突した。

試合は序盤3回に中央大が、日本大に1点リードを許す苦しい立ち上がり。細かい継投で耐えてきたが、4回には早くも4番手・大山 北斗投手(3年=興南出身)を投入する展開。小泉監督のなかでは「予定通りのタイミングでした」とのことだが、大山は我慢の投球だった。

「甘いところに投げることが多かった」と失投を日本大打線に捉えられることもあったが、ホームを踏ませることはなく、徐々に攻撃のリズムを作る。すると、直後の6回に女房役・岡部 匡十捕手(2年=佐賀商出身)の適時打で同点。そして7回には4番・佐竹 秀也外野手(4年=県岐阜商出身)の適時打で逆転に成功。これで余裕ができた大山は、9回まで1人で投げきって、チームを勝利に導いた。

リーグ戦でも通用していたという、最速149キロに到達している剛速球を信じて、今回はリリーフ登板させたという小泉監督。結果的にその采配がハマり、大山も6回6奪三振という内容で期待に応える結果だった。

たしかに大山は安定して145キロ前後のスピードを計測。1人別次元の投球を見せつけていた。2022年、そして2023年も全国の舞台で対戦し、どちらも負けていたことで、「絶対に勝つ」と闘志全開でいたことも大きいが、大山の目標がもっと大きいところにあるからだ。

「まずは150キロ、そしてオリックス・高島(泰都)さんが明治大時代に出した151キロを超えて、卒業後は社会人野球を挑戦したいと思っているので、その辺りを意識して練習に取り組んでいます。そのために硬式球を使って投げることを増やしたり、瞬発系のトレーニングも取り組んで、体重を5キロ増やしたりしました。結果、フィジカルの土台が出来上がって、コンスタントに145キロを出せるようになりましたが、もっと球速は上げて、全国区の投手になりたいと思っています」

最終的には「自分も高島さんの背中を追いかけて頑張りたい」とNPBへの道も視野に入れているという大山。そのためにも、「全国制覇は絶対にしたい」と日本一の座は譲れない。NPBで奮闘する偉大な先輩が切り開いた道に続くべく、3年生・大山は今後も成長を続ける。