<文部科学大臣杯第76回全日本大学準硬式野球選手権大会:同志社大5-3九州共立大>◇25日◇2回戦◇さがみどりの森県営野球場

24日から始まった文部科学大臣杯第76回全日本大学準硬式野球選手権大会(以下、全日大会)は、25日から2回戦に突入。初戦で日本大三崎町との競り合いを制した同志社大が、九州共立大を5対3で下して、ベスト8入りを果たした。

同志社大は初回、無死1、2塁から3番・池谷 友希外野手(3年=静岡出身)の適時打や5番・廣内 駿汰外野手(1年=花巻東出身)の犠牲フライなどで一挙5得点。指揮官・奥野彰二監督が「先取点を大事にしてきた」というチーム方針がハマって試合の主導権を握った。

ただその後、「凌ぐ展開だった」と奥野監督が振り返るように、同志社大は追加点を取れない苦しい試合展開。九州共立大の反撃を徐々に受けたが、投手陣の好投もあり、5対3で逃げ切った。

ヒットは4本ながら、初回に4つの四死球と相手のエラーで5得点。畳みかける集中打で勝利した同志社大だが、そこに絡んできた廣内は、1年生ながら5番・指名打者で抜擢されるだけはある。

目が覚めるような非常に鋭いレベルスイングで、ボールを捉えられるバッティングをしており、1打席目の犠牲フライだったが、2打席目は痛烈なサードへの内野安打。3打席目はライトフライだったが、捉えた打球だった。名門・花巻東で1年生からベンチに入った経験があり、3年生の夏は主力として、甲子園ベスト8に貢献した実力者なだけある。

恩師・佐々木洋監督のススメや、「野球を仕事にできる選手は、本当に一握りなので、勉強もできる環境でやっていくべきだと思った」という理由で、準硬式に進むことを選んだ。

同志社大を含めて、花巻東から多くの先輩たちが準硬式に進んでいたことがあり、文武両道の精神など知っていたが、「想像以上に野球のレベルが高いし、色んな学校の選手が集まっているので、学ぶことが多い」と新鮮な毎日を送っており、充実感は大きいという。

「全国区である甲子園に比べると、どうしてもマイナーな準硬式は観客や応援の方々は少ないです。でも、各チーム、選手たちの勝利に対する執念・熱量は何も変わりません。だから高校時代と変わらず、同じ熱量でプレーできていると思います」

準硬式の世界に飛び込んで4か月程度。「(大学生活に)徐々に慣れてきた」というが、準硬式は野球だけではなく、勉強、そしてプライベートとあらゆることに挑戦出来るところが魅力である。

廣内もその点については、花巻東の先輩たちから話を聞いて知っていた。大変なことではあるが、このときこそ、花巻東での経験・仲間たちの存在が支えている。

「特に私生活における物事の考え方は、花巻東の3年間で学んだ印象が強いんです。優先順位を考えて、そのときの正しい選択をする。優先度の高いことを選んで実行することを心掛けています。麟太郎も、キチンと優先度を考えて、野球に繋がる生活を送るようにしていました。その取り組む姿に、現役時代から凄さを感じていましたけど、いまもアメリカで活躍している姿は刺激になります。もちろん、麟太郎だけではなく、大学で頑張っている花巻東の仲間たちからも刺激にはなっています」

優勝まではあと3勝。「1年生らしいプレーでチームに勢いを付けていきたい」と、多くを望まず、全力プレーを誓った廣内。大学からアメリカに飛び立ち、さらなる成長を続けている佐々木麟太郎をはじめ仲間たちから刺激をもらいながら、準硬式の世界でさらなる活躍を見せることができるか。今後の成長を楽しみにしたい。