今シーズン4位の楽天は今江敏晃監督が1年で解任が決まり、衝撃が走った。そんな中でも台頭した選手は多い。

 2016年ドラフト1位の藤平 尚真(横浜高)が8年目で開花した。昨年までは先発での起用が続き、一軍で結果を残せず苦しんでいたが、今年は開幕から中継ぎに配置転換され47試合に登板し20ホールドをマークした。

 46.1回を投げ防御率1.75で奪三振も投球回数を上回る58と奪三振能力も高い。ホールド数からもわかるように同点や僅差リードの緊迫した場面での登板が多いなかで、結果を出している。来年以降も同様の役割で起用されるのか定かではないが、近い将来にセットアッパーや守護神に定着する可能性も十分にある。さらにプレミア12代表にも選出された。

 先発では社会人出身の4年目左腕の藤井 聖(富士市立高-東洋大-JX-ENEOS)が先発ローテーションに定着した。昨年も10試合(先発6試合)の登板で3勝0敗、防御率2.29と結果を出していたが、今年は22試合の登板で11勝5敗、防御率2.93と昨年以上の成績を残している。また前半戦では7連勝を記録しオールスターゲームにも選出された。

 野手ではルーキーの中島 大輔(龍谷大平安高-青山学院大)がレギュラー争いに参戦しつつある。7月2日に初めて一軍登録されると8月下旬に右肩の違和感で登録されるまで37試合に出場し打率.228(123-28)、1本塁打、得点圏打率.320とまずまずの数字を残した。

 強打の捕手・安田 悠馬(須磨翔風高-愛知大)も来季、ブレイクが期待できる数字を残した。昨年の53試合より出場数を減らし、34試合出場にとどまったが、122打数32安打で打率.262、2本塁打、9打点。OPS.658。二軍でも90試合で、打率.281、7本塁打、42打点、OPS.799と圧倒している。楽天の捕手は低打率、低OPSの選手が多い中で、安田が残した数字は希望が持てる。来年、1年間起用し続けたら、どんな成績を残すのか注目が集まる。

 今年は冒頭で紹介した藤平を含め4人がプレミア12代表に選出。さらに、安田など希望が持てる若手が台頭してきた。こうした若い力を結集し、新監督の下で躍進したい。