10月24日に開かれるドラフト会議。1位候補の選手たちに負けない注目を浴びている選手がいる。慶応義塾大の清原 正吾内野手だ。大打者・清原和博氏の長男として、彼の毎試合、一挙手一投足が報道されている。タイプとしては父譲りの長打力と身体能力の高さを持つアスリートタイプの選手だ。
彼にプロ入りの可能性はあるのだろうか。筆者はNPB入りには今年がベストのタイミングだと思っている。その理由について考えていきたい。
全力疾走、オーラ全開……粗削りだが魅力は十分
基本的に、ドラフト候補の選手たちは減点評価される。各球団、シーズン当初は100人以上の選手たちをまずリストアップし、そこからパフォーマンス、プレースタイル、立ち居振る舞いなどを見ながら最終的に数十人の指名候補に絞りこんでいくのだ。
清原はドラフト候補としては評価されにくい一塁手である。だが、ポジティブな報道が多い。その理由は、本格的に野球を始めたのだが大学からにもかかわらず、慶大の4番を打っているところだ。小学校まではオール麻生でプレーをしていたが、中学ではバレー部、高校ではアメリカンフットボール部に所属していた。しかし、いま清原は東京六大学の140キロ中盤の速球を投げる投手にしっかりとついていくことができるのである。大学4年間でその地位まで上り詰めた努力、素質の高さは評価できる。
醸し出すオーラ、スター性を評価する声が多い。実際にグラウンドに立った時の爽やかさ、雰囲気は他の選手には出せないものがある。プレーに対する雑さもない。あまり触れられていないが、意外にも脚力は高い。プロのスカウトは右打者の塁間到達タイムの基準として4.30秒以内を求めている。清原の内野ゴロはすべてそのタイムを切っているのだ。
勝負の4年秋に結果を残しているのも良い。4年春は13試合で0本塁打だったが、この秋は9試合で2本塁打を記録している。リーグ戦前に行われた日本ハム二軍との試合では、左の山本 晃大投手(佐久長聖)からも本塁打を打っている。内角高めにツボを持っており、抜けた変化球にも強い。