<秋季東京都高校野球大会:小山台 7-4 東亜学園>13日◇2回戦◇JPアセットスタジアム江戸川

 この日から、秋季東京都大会はベスト16を目指す2回戦に突入。2014年の第86回センバツ大会には21世紀枠代表として出場を果たしている小山台。夏も2018年19年と2年連続で東東京大会決勝進出を果たしている。都立校としては、近年最も安定した実績を挙げている強豪校である。紺の帽子に「K」マークでグレー地の慶應義塾大を思わせるユニフォームも、東京都のファンの間ではすっかり定着してきている。また、東亜学園もグレー地のユニフォームで、そういう意味ではこのチーム同士は見た目もよく似ている。

 今秋の小山台は一次ブロック予選の2試合はコールド勝ちで本大会進出。1回戦でも、コールドにはならなかったものの府中西に8対0と快勝している。

 一方の東亜学園は甲子園出場実績もあり、ベスト4にも進出している。近年はやや遠ざかっているものの、一昨年夏の東東京大会は決勝進出を果たした。そして、今夏も二松学舎には敗れたもののベスト8進出を果たしている。この秋は、一次ブロック予選では、こちらも2試合コールド勝ち。本大会の1回戦では東海大高輪台と大接戦で苦しみながらも9回に2対3から逆転サヨナラ勝ちしての進出で勢いに乗っている。

 そんな両校の対戦である。好ゲームが期待された。

 小山台は初回、一死から3連打で1点を先取。さらに四球などで二死満塁となったところで、7番中村 征爾選手(2年)が中前打して2人を帰してこの回3点。その裏に、東亜学園も先頭からの連打と4番政岡 亨汰選手(2年)のタイムリーなど3安打を集中していつ点を返した。しかし、その後は、小山台の先発木島 匡投手(2年)が踏ん張った。

 小山台は4回にも四球と1番、2番のバント安打などの連打で満塁として押し出しと、4番中陳 悠文選手(2年)の中前への2点タイムリー打でこの回3点となり、6対1とリード。その裏、失策絡みで1点を献上し、5回も1点を許すものの、7回に8番丸山 敬太郎選手(2年)の右中間二塁打でさらに1点を追加した。

 その裏に東亜学園も追いすがって3連打で1点を返すものの、さらなる好機では併殺打。ここでも木島投手がよく踏ん張った。

 そして、8回からは木島投手と岡村 ルカ遊撃手(2年)を入れ替えたが、岡村投手は、9回は2連続四球で、やや苦しんだが一死満塁から、しっかり投げ切って3点差で勝利して、ベスト16進出。福嶋正信監督としては継投も、ほぼイメージ通りでハマったという感じだったようだ。

 初回の先制攻撃と、4回の集中攻撃に関しては、「あれは、たまたまですよ」と謙遜しているが、小山台の各選手は、それぞれが自分たちで考える野球に徹しているのも伝統となってきている。そして、集中してくると、手が付けられないような勢いを示す。「今年のチームは、ある程度は打てるかなという感じはしていましたけれども、いい感じで連打が出ましたね」と、喜んでいた。「投手は、まだ投げられる選手は用意してある」と、都立校としては層の厚さも圧倒的である。

 都内でも有数の進学校でもあり、練習環境も決して恵まれているというワケではないが、毎年のように大会で実績を上げていく小山台。もはや、福嶋マジックを超越して、これが小山台というチームの力といっていいであろう。

 この秋も、まだまだ注目である。