夏の甲子園の地方大会が本格的に始まった。NPB12球団のスカウトは、この時期ドラフト候補に挙がる高校生の最終チェックに入るという。

編集部でも恒例企画『ドラフト期待度ランキング』夏直前版発表する。今回はベスト10の紹介である。夏直前で1位に輝いたのはどの選手になるのか。

10位~6位 未完の192センチの大型右腕、高校生No.1ショートがランクイン!

10位 清水 大暉投手(前橋商)

192センチ92キロ 右投げ右打ち
直球の威力:A
投球フォーム:B
制球力:B
変化球:B
将来性:S
ドラフト:上位指名クラス

未完の大型右腕。身長192センチの長身から最速148キロの速球、130キロを超えるフォークを操り、打者を圧倒する。カーブも使え、投球の幅も広い。春季群馬県大会では19回を投げ、22奪三振、自責点1の快投を見せた。しかし、試合によって出来にばらつきがあり、まだ心もとない部分は残る。ストレートがさらにボリュームアップし、健大高崎、前橋育英などのライバルを封じる圧倒的な投球を見せれば、ドラフト1位も近づくのではないか。

9位 井上 剣也投手(鹿児島実)

178センチ78キロ 右投げ右打ち
直球の威力:A
投球フォーム:B
制球力:B
変化球:B
将来性:A
ドラフト:上位指名クラス

最速151キロをマークする九州No.1右腕。昨秋の時点で最速147キロをマークしていたが、今春の県大会ではどの試合でも常時140キロ後半の速球を投げ込むまでにスピードアップした。直球を狙われていても簡単に飛ばさせない威力がある。さらに鋭く曲がるスライダーで三振を奪う。能力の高さだけではなく、僅差の場面でも安定したピッチングを見せ、悪天候で足場が悪い中でも無失点に抑えるなど、その投球術も秀逸だ。この夏は神村学園をはじめとする鹿児島の手強いチームを封じる投球内容を示すことができるか。

8位 境 亮陽外野手(大阪桐蔭)

180センチ76キロ 右投げ左打ち
長打力:C
巧打力:B
守備力:A
走力:S
将来性:A
ドラフト:ドラフト上位クラス

センバツでランニングホームランを放ち、そのタイムはソフトバンク・周東佑京級。打撃も強化され、力強いスイングで外野の間を抜く長打を連発するようになった。投手としても140キロを超える速球を投げ込み、ライトからバックホームはほとんどがノーバウンドのダイレクト。中日のアベレージヒッター・岡林 勇希外野手(菰野)のような打者を育てたいという球団にとっては格好の選手だ。この夏も走攻守で躍動した姿を期待したい。

7位 モイセエフ・ニキータ外野手(豊川)

181センチ85キロ 左投げ左打ち
長打力:A
巧打力:A
守備力:B
走力:B
将来性:A
ドラフト:ドラフト上位クラス

今センバツから導入された新基準バットで豪快な大会1号放った。しかし、3三振に終わり、悔しさをバネに打撃フォームを改造。ベンチプレス130キロのパワーを活かし、木製バットでもバックスクリーン弾を放つまでに成長した。打撃練習を見ると、スイングの強さ、打球の速さ、飛距離は高校生とは思えぬ凄みがあり、いつでも快音を響かせている。試合では、まだ打ち損じが多い。それでも凡打の打球のスピードは非常に速く、スカウトから高評価を受けている。自分の打撃スタイルが嵌まれば、高打率は残せるだろう。守備、走塁も標準以上で、ただ打つだけの選手ではない。この夏はすべてにおいて大暴れを見せたい。

6位 今坂 幸暉内野手(大阪学院大高)

178センチ80キロ 右投げ左打ち

長打力:B
巧打力:A
守備力:A
走力:A
将来性:A
ドラフト:ドラフト上位クラス

現時点では「今年の高校生No.1ショート」として推せる逸材。捕球してから送球に入るまで持ち替えの速さ、捕球の確実性、安定感のあるスローイング、とともに一級品だ。近畿大会では5度の守備機会を無難に処理したように、実戦にも強い。打撃も140キロ超えの投手にしっかりと対応ができており、捉えた打球はよく伸びる。打席の中でも工夫が見られ、簡単に凡退しない嫌らしさがある。球場での姿をみると、「なんとしても流れを変えてやろう、自分が決めてやろう」という気概が感じられ、マインド面の強さもプラス評価だ。夏の大阪大会でも主役に躍り出たい。


今坂 幸暉(大阪学院大高)

5位~1位 MLBも注目する剛腕、センバツ準優勝投手らを凌いだ1位は?

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