先日、埼玉西武ライオンズで、今シーズン途中からチームの指揮を執っていた渡辺 久信監督代行の退任を発表。新たに西口 文也新監督の就任が発表された。

 今シーズンは91敗を喫し、パ・リーグ最下位と低迷した。今年の成績と渡辺監督代行の退任を受けて、西武は大きな転機を迎えているといえるだろう。そんな中、『高校野球ドットコム』では、チームの再建に向けて重要となるドラフト1位選手予想アンケートを実施。「高校生の大砲候補」、「源田・外崎の後継者」、「強打の大学生」、「将来のエース候補 」の4つの選択肢を用意し、投票を行った。800票を超えるファンの皆様の声をもとに、それぞれのタイプのドラフト1位予想選手を紹介していく。

3位「高卒の大砲候補」11.8%

 第3位に選ばれたのは、高校生の大砲候補だった。中でも、石塚 裕惺内野手(花咲徳栄)は筆頭候補だろう。高校通算26本塁打の長打力で世代No.1野手として名を馳せ、この夏の埼玉大会は7試合で12安打、1本塁打、11打点とその名に相応しい活躍を見せていた。高校日本代表にも選出されると、「4番・遊撃手」としてアジア選手権でも準優勝に貢献。本拠地・埼玉にゆかりのある将来性抜群のスラッガー獲得となれば、ファンの期待も高まるだろう。

2位「外崎選手・源田選手の後継者」25.4%

 第2位に選ばれたのは、源田 壮亮内野手(大分商―愛知学院大―トヨタ自動車)と外崎 修汰内野手(弘前実―富士大)の後継者となる選手。つまりは二遊間の補強だ。現在、両選手共に主力を担うが、31歳と絶対的存在の後釜候補の補強は必須。数年後を見据えて動くべきと考えるファンが4分の1を占めることとなった。

 今年のドラフトで二遊間を補強するならば、宗山 塁内野手(広陵―明治大)の指名となるだろう。東京六大学リーグで通算113安打を放ち、守備でも華麗な足運びに安定したスローイングで大学では下級生の頃から注目の存在だった。既に広島がドラフト1位を公言しており、名実ともに大学野球界トップの遊撃手として高い評価を受けている。3月には飛び級で侍ジャパンのトップチームにも選出されると、井端 弘和監督も「守備はプロでもトップクラス」と絶賛。競合必須ではあるが、二遊間の後継者問題に終止符打つ可能性を秘めた存在だけに、獲得に乗り出すのか注目したいところだ。

1位「強打の大学生」55.4%

 第1位は「強打の大学生」。“チームの再建”には欠かせない即戦力強打者の獲得に半数以上の票が集まり、まさにファンが望む結果となった。

 注目の存在は西川 史礁外野手(龍谷大平安―青山学院大)と渡部 聖弥外野手(広陵―大阪商業大)の両スラッガーだ。西川は、宗山同様に3月の侍ジャパントップチームに大学生ながら選出され、デビュー戦で2安打2打点の活躍。力強いスイングから放たれる強烈な打球はプロ野球ファンをも虜にした。長打力を含めた身体能力の高さが最大の魅力で、プロ最注目スラッガーの1人と言えるだろう。

 一方の渡部も、関西屈指の強豪・大阪商業大で1年の春リーグからレギュラーを獲得している実力者だ。逆方向にも飛ばす圧倒的なパワーはさることながら、今月2日には関西六大学リーグで14人目となる通算100安打を達成した対応力も兼ね備える。春からは三塁手にも挑戦しており、複数ポジション守れることも大きなアピールとなる。プロでの活躍も楽しみな大砲候補だ。

 運命の日まで残り10日を切っている。復活を期す西武はどのようなドラフトとなるのか注目したい。

文章:高校野球ドットコムインターン生 伊藤 雄大