今年はCSの1stステージで敗退した阪神。来季は藤川球児新監督のもと、新たなスタートを切る。今の阪神は、野手では佐藤 輝明内野手(仁川学院-近畿大)、森下 翔太外野手(東海大相模-中央大)、投手では才木 浩人投手(須磨翔風)など20代の選手たちが中心となっており、二軍にもブレイク間近の若手投手、若手野手も豊富。他球団からすれば羨ましいメンバーがそろっている。そんな充実した選手層を持つ阪神は、2年ぶりの優勝を目指すためにどんなドラフトをしていけばいいのか。

大活躍を見せたブルペン陣が来季は弱点になる可能性が…

 今年のドラフト1位で指名するべきは、投手だろう。理由は投手の勤続疲労。特に中継ぎ陣は来年以降、パフォーマンスを落とす可能性がある。今季50試合以上の登板があった投手はこちら。

ゲラ     59試合 防御率1.55 1勝4敗31ホールド14セーブ

石井 大智  56試合 防御率1.48 4勝1敗30ホールド1セーブ

桐敷 拓馬  70試合 防御率1.79 3勝1敗40ホールド

岩崎 優   60試合 防御率2.20 4勝4敗17ホールド23セーブ

 特に桐敷の働きは凄まじく、リーグ2位の40ホールドを記録した。阪神がギリギリまで優勝争いができたのは、ブルペン陣の働きが大きかった。来季も同じように稼働できるのに越したことはないが、成績を落とすことも想定しなければならない。

 先発では、これまでローテーション投手として活躍した伊藤 将司投手(横浜-国際武道大-JR東日本)がわずか4勝、防御率4.62に終わった。来年は29歳を迎え、今のままだと先発としては厳しい。青柳 晃洋投手(川崎工科-帝京大)も2勝に終わり、2年連続で13勝をあげた21年と22年ほどの勢いはない。

 今季は才木、昨年MVPの村上 頌樹投手(智弁学園-東洋大)、大竹 耕太郎投手(済々黌-早稲田大)、西 勇輝投手(菰野)の4人が先発ローテーションを担った。来季はこの4人を軸として、残り2枠を青柳、伊藤の実績組、CSでも先発した髙橋 遥人投手(常葉橘-亜細亜大)、若手と新人で争う形になるだろう。

 この陣容を見ると欲しいのは即戦力だ。1位は地元の金丸 夢斗投手(神港橘-関西大)を推したい。この秋のリーグ戦ではいまだ無失点の好投。完成されたフォームから繰り出す140キロ台後半の速球と多彩な変化球を操り、即戦力として十分活躍できる投手。ただ、この1年は腰のケガもあった。1年目から多くのイニングを投げられるかは未知数だが、プロの環境に慣れれば、毎年10勝以上は狙える投手で、さらに投手陣は盤石になるだろう。

 外れ1位は社会人の投手になりそうだ。NTT西日本の伊原 陵人投手(智弁学園-大阪商業大)は伸びのある140キロ台後半の速球を投げ、先発、中継ぎとして戦力になりそうな投手だ。高卒4年目の西濃運輸・吉田 聖弥投手(伊万里農林)は好調時では150キロ近い速球、スライダー、カーブをテンポ良く投げ分ける。金丸、伊原はテクニックで勝負するが、吉田は力で勝負する投手。全体的に発展途上だが、阪神好みの本格派で、重宝されそう。うまくいけば、高橋のような投手に育つ可能性がある。

 阪神は例年、ある程度まとまりがあって、球速もある投手は中位、下位問わず指名する傾向だ。昨年のドラフトでは4人の右投手を指名したが、今年も競争を促す意味でも右投手の指名はありそうだ。

内野手、外野手は充実、捕手獲得の1年になるか

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