<関西六大学野球 秋季リーグ戦:大阪商業大 2-1 大阪経済大>16日◇第7節3回戦◇マイネットスタジアム皇子山

 ドラフト候補の林 翔大(4年=乙訓)と柴﨑 聖人(4年=岐阜第一)を擁して17年ぶりのリーグ優勝に王手をかけていた大阪経済大。9回表に元山 晶斗(4年=高知)の適時打で1点を先制したが、その裏に2点を失ってサヨナラ負けを喫した。

  先発はエースの林。「調子自体は良かったので、力だけ入れないようにと思って投げました。いつも通りに四隅に投げると絶対打たれないという自信はあったので、その自信通りに途中まで投げられました」と序盤から多彩な球種を駆使してアウトを積み重ねていく。

  8回まで許した安打はわずか3本。9回表に待望の先制点が入り、優勝まであと1イニングを抑えるだけだった。

  しかし、「勝手に力が入った」と9回裏は安打と死球で無死一、二塁のピンチを招く。4番の渡部 聖弥(4年=広陵)には「正直、ビックリしました」と予想外の犠打を決められ、一死二、三塁と一打逆転サヨナラの場面となった。

  ここで5番・春山 陽登(2年=敦賀気比)を遊ゴロに打ち取り、三塁走者を本塁でアウトにできるタイミングだったが、これを捕手が落球。失策で同点に追いつかれてしまった。

  その後、二死満塁となり、打席には代打の蜷川 大(3年=広陵)。「悔いの残る一球でした。ストライクを取りにいったのかなという思いはあります」と1ボールから甘く入ったストレートを打たれ、サヨナラの左前適時打となった。

  打球が三遊間を抜けた瞬間、林が膝から崩れ落ち、なかなか立ち上がることができなかった。これで5季連続2位。最後まで大阪商業大の壁は厚かった。

 「自分が9回を抑えていれば勝ったと思うと、チームに申し訳ないという気持ちが一番強いです」と語った林。3打数無安打に終わった柴﨑も「林が粘ってくれていたにも関わらず、自分たち野手が1点で止まってしまった。もっと早く先制できてればもっと楽な試合展開になっていたと思うので、自分たちの力不足かなと思います」と肩を落とした。

  とはいえ、林は通算20勝、柴﨑は通算100安打を達成。二人ともプロ入りに相応しい実績を残した。24日のドラフト会議で指名はあるだろうか。