昨季まで3連覇のオリックスは今季5位に終わり、名将・中嶋 聡監督が退任。岸田 護コーチが新監督となったものの、覇権奪回までの課題は大きく2つ。先発投手不足と打線の迫力不足だ。
近年オリックスのドラフトは、高校生重視。山本 由伸投手、宮城 大弥投手(興南)、紅林 弘太郎内野手(駿河総合)など球団の顔となった選手は高校生から出ている。今季も高校生重視で行くべきか、それとも即戦力を狙うべきなのか?
1位は即戦力投手、打線の核となる野手か? 高ポテンシャルの高校生か?
今季のチーム防御率はリーグ2位の2.86を記録したが、規定投球回達成者は0人。最も近付いたのは宮城 大弥投手(興南)の141.2回で、防御率1.91、7勝9敗を記録した。続くのはエスピノーザ投手。22試合で防御率2.63、7勝9敗、133.2回だった。ほかに100回以上を記録したのは左腕の曽谷 龍平投手(明桜)、田嶋 大樹投手(佐野日大)の2人だ。曽谷は7勝11敗で119回、田嶋は6勝8敗で117.1回だった。
東 晃平(神戸弘陵)、山下 舜平大(福岡大大濠)という今季機能しなかった実力派はいるものの、もう一枚、ローテーションに入れる投手を獲得したいところだ。
即戦力投手を求めるということであれば、関西大の金丸 夢斗投手(神港橘)はピンズドの投手だろう。地元・神戸市出身の左腕であり、ほっともっとフィールドを準本拠地に置くオリックスにとっては本命にする理由が揃っている。ただ競合必至。金丸に挑戦するのか、優秀な高校生投手を育てて、3年後の一軍でのブレイクを実現させる考えもある。
高校生を狙うならば、今朝丸 裕喜投手(報徳学園)、柴田 獅子投手(福岡大大濠)が魅力的だ。今朝丸は常時140キロ台後半の速球、130キロ台後半の高速フォークを武器とする右の本格派、そして柴田は躍動感のある投球フォームから150キロ近い速球とフォークを投げ、さらに打者としても本塁打を量産する二刀流だ。3年後にはともに一軍でローテーション投手として活躍できる素質を持った投手だろう。
一方で打線の核も獲得したい。今季チーム打率.238、402得点はともにパ・リーグ5位。好投する投手陣を見殺しにする1年だった。捕手ながら打率.281、46打点のチーム二冠王となった森 友哉捕手(大阪桐蔭)がいるが、これまで主砲として活躍してきた杉本 裕太郎外野手(徳島商)は打率.233、11本塁打、27打点と数字が落ち気味だ。
強打者のドラフト1位の選択肢も十分にある。青山学院大・西川 史礁外野手(龍谷大平安)、大阪商業大・渡部 聖弥外野手(広陵)の2人が候補に挙がるだろう。
投手1位か、野手1位か。ギリギリまで結論は出ないかもしれないが、編集部は投手1位を推したい。金丸、今朝丸、柴田のいずれかの逸材を獲得できれば、確実の投手王国への道は拓けるはずだ。
渡部聖弥(大阪商業大)、西川史礁(青山学院大)