◇阪神大学野球連盟秋季リーグ戦:第4節2回戦◇関西外国語大4-3大阪産業大(延長10回)◇大阪シティ信用金庫スタジアム◇17日
今季から5年ぶりに1部復帰を果たしている関西外国語がサヨナラ勝ち。4勝6敗の5位で今季を終えた。
同点の10回裏、二死満塁のチャンスで打席に立つのは3番の鴻谷 一翔(2年=初芝立命館)。1ボール2ストライクから一塁手のミットを弾く痛烈な当たりを放つと、最後は渾身のヘッドスライディングでサヨナラ内野安打を勝ち取った。
「4年生を勝ちで送り出せたのが一番良かったです」と話した鴻谷。「4年生は最後なので、全員出すと決めていました」(西浦 敏彦監督)という今季最終戦を総力戦でものにした。
関西外国語大は2016年秋から1部で戦っていたが、19年秋に入れ替え戦で敗れて2部に降格。その翌年に大阪の公立高校で指導者をしていた西浦監督が就任した。ちなみに西浦監督の息子は八尾高から筑波大に進み、現在は鷺宮製作所でプレーしている西浦 謙太である。
就任当初は環境整備や挨拶、学業との両立など基本的なところからの改革を始めた。野球部員の多くは外国語学部に所属。リーグ2位の打率.395をマークした1番遊撃の中谷 駿介(4年=桜宮)は「必修は全部英語で、日本語はあまり喋らない。ついていくのにいっぱいいっぱいでした」と笑い交じりで話してくれた。
文武両道を目指す中で私生活から改善され、西浦監督の想定よりも1年早く1部に昇格。「1部に上がるために今までやってきたので、達成感が凄かったです」と中谷は目標の舞台で戦えることを噛みしめていた。
今季は開幕節こそ王者・天理大に2試合連続コールド負けを喫したが、残りのカードは全て1勝1敗。強豪校とも互角に戦い、入れ替え戦を回避した。
特に光ったのがリーグトップの19盗塁。中谷と赤松 純弥(1年=天理)の1、2番コンビが5盗塁を決めるなど、積極的に走る野球を展開した。
「来年はリーグで優勝したら全国大会に出られるので、全国に出ることを目標に置いて、秋季リーグで出た課題に取り組んでいきたいです」と来季に向けて意気込みを語った主将の木下 和輔(3年=天理)。1部で戦った財産を糧に来年へと向かう。