10月24日に迫ったドラフト会議。『高校野球ドットコム』の恒例企画「高校生ドラフト期待度ランキング」を発表しよう。今回は選手スキルの5項目の評価に加え、ドラフトでの可能性、その選手の将来像も考えてみた。
プロ志望届を提出した高校生は159名。昨年のドラフトでは、育成・本指名合わせて50名の高校生がプロ入りした。今年は何人が指名されるのか？
まずは50位から41位だ。
【ランキングの見方】
投手は①直球の威力②投球フォーム③制球力④変化球の精度⑤将来性、野手は①長打力②巧打力③守備力④走力⑤将来性の5項目に分けて分析。各項目のDは「課題あり」、「及第点」はＣ、Bは「高校球界上位の実力」、Aは「ドラフト候補の中でも上位」、最高評価は「超一流になる可能性を持った逸材」としてＳとしている。現時点でドラフトがあった場合の評価については下位指名は5位以降、中位指名は3位〜4位、上位指名：2位の可能性あり、ドラ1クラス＝1位、最低でも2位以内としている。
捨てがたいラマルの長打力、大社・藤原の足は世代No.1！
50位 ラマル・ギービン・ラタナヤケ（大阪桐蔭）
180センチ83キロ 右投げ右打ち
長打力：Ａ
巧打力：Ｂ
守備力：Ｃ
走力：Ｃ
将来性：Ｂ
指名順位：育成枠
将来像：水谷瞬（日本ハム）
下級生時から長打力を注目されてきたスラッガーは最後の夏、代打中心に終わった。大阪大会の早稲田摂陵戦で本塁打、甲子園の興南戦では鋭いレフト前ヒットを放ち、強打は発揮できた。打撃フォームや、ボールの捉え方、タイミングの取り方を見るとコンタクト力がだいぶ高くなった。通年通して使えば、本塁打を量産してくれそうな期待はある。
代打になったのは守備が計算できないからだ。この3年間では一塁、三塁が中心で、シートノックでは外野を守った。次のステージでは打撃を活かしてDHでの起用も考えられる。一発勝負の高校野球ではないので、外野守備を鍛えれば、起用できる幅は増えそうだ。
49位 藤原 佑外野手（大社）
168センチ64キロ 右投げ右打ち
長打力：C
巧打力：B
守備力：B
走力：S
将来性：B
指名順位：育成枠
将来像：荻野貴司（ロッテ）
この夏の甲子園で脚力でアピールしたトップバッター。甲子園の第1打席、今朝丸 裕喜投手（報徳学園）からライト線への安打を放ち、計3安打。そして4盗塁を記録したように、積極的な走塁姿勢、技術、単純なスピードでいえば、世代NO.1。島根大会では打率.667だったが、甲子園では15打数3安打と結果を残せなかった。守備もスローイングがやや弱いのが気になった。育成枠で一からプロ野球選手の基礎を作りたい。
48位 森 厳徳投手（県岐阜商）
172センチ78キロ 右投げ右打ち
直球の威力：B
投球フォーム：A
制球力：B
変化球：A
将来性：B
指名順位：育成枠
将来像：山本拓実（日本ハム）
今夏で退任した名将・鍛治舎巧監督も評価する実戦派右腕。体全体を使ったバランスの良い投球フォームから繰り出す140キロ中盤の速球、手元で鋭く変化するスライダー、ツーシーム、フォークを操る。夏は制球を乱すことがあり、甲子園出場を逃した。高尾 響投手（広陵）と同じ170センチ前半で、同タイプの逸材だが、まだ抜け球が多い。
47位 岸本 佑也内野手（奈良大付）
180センチ75キロ 右投げ右打ち
長打力：C
巧打力：B
守備力：A
走力：B
将来性：B
指名順位：育成枠
将来像：安達了一（元オリックス）
この夏、奈良大会決勝戦に進出した大型遊撃手。180センチ75キロと上背があり、ダイナミックに動ける上、肩の強さは一級品。守備力の高さは申し分ない。ただ夏は奈良大会で13打数2安打に終わった打撃がやはりネックになる。大きな癖はないが、打てるまでの技術、スイングスピード、対応力を身につけるにはかなり時間がかかりそう。三軍制を敷いている球団ならば、実戦機会が多く、早期にレベルアップできる可能性は高まるだろう。
46位 澁谷 純希投手（帯広農）
181センチ88キロ 左投げ左打ち
直球の威力：B
投球フォーム：B
制球力：C
変化球：B
将来性：B
指名順位：育成枠
将来像：松葉 貴大（中日）
この夏、地区予選で22奪三振を記録するなど、ドラフト候補として急浮上した速球派左腕。しっかりと縦振りができた時のストレートは非常に勢いがあり、スライダーの精度も高い。一方でボール全体が高く、イニングごとにばらつきが激しい。地道に1つ1つのスキルアップを期待したい。
