ドラフト1位も有望視されるスラッガーが青山学院大の西川 史礁外野手である。
3月には“飛び級”でフル代表に召集。プロとともに欧州選抜との試合に臨み、7打数3安打1打点の活躍をみせた。3年生時に続いて2度目となった大学日本代表でも、第43回プラハベースボールウィークでの日本の優勝に貢献し、MVPを獲得した。
ドラフト直前、大学No.1スラッガーは何を考えているのか――。
フル代表入りで気づいた“プロの一流選手たちの高い意識”
守備練習中の西川史礁
――フル代表で一流の選手と交流できて、何を得ましたか?
西川 あの舞台は夢か現実かわからないぐらいで、村上(宗隆)選手を間近に見たときは本当に「なんで自分はこんなとこにおれるんや」というありがたさと不思議な感じがありました。村上さんや近藤(健介)さんなどWBCに選ばれ、世界で活躍した選手のバッティングを間近に見られて、やっぱり違うなと感じました。
―― 一流選手の打撃は何が違いましたか?
西川 プロ野球選手は“丁寧に打っている”選手が多いことに気づきました。アマチュア選手の場合、バッティング練習になると「柵越えを打ちたい」と力が入ってしまう選手が多いんですけど、プロの選手たちはセンターを中心に良い当たりを飛ばしていました。自分も普段の練習からセンター方向への強い打球、ドライブ回転をせずにしっかりと伸びた打球を打ち返すことをイメージしながら練習するようにしました。
――実際に3月6日の試合ではレフトへの二塁打をうちましたね。
西川 本当に嬉しかったですね。ベンチから帰ってきた時、すれちがうたびにプロの選手たちから「ナイスバッティング」と声をかけてくれました。
――特にどの選手がよく声をかけてくれたんですか。
西川 ヤクルトの塩見(泰隆)選手ですね。試合前も一緒に練習をし、ウエイトトレーニングも一緒にやりました。守備につくときとかも、いろいろアドバイスとかもいただきましたし、打ったときは本当に褒めてくれました。みなさん、本当に優しかったです。
――塩見選手からもらったアドバイスは生きていますか。
西川 塩見さんだけではなく、いろんな選手の考え方を吸収できました。たとえば近藤選手はシーズン中は毎日ウエイトトレーニングをしているそうです。いろんな取り組みを聞く事ができてよかったです。
――超一流の選手を間近で見られて、参考になった野球への姿勢はありますか。
西川 自分の打席が終われば、応援する姿勢ですね。どの選手もベンチに帰ってきたらチームのために大きな声を出していていました。
普段から自分もそういう姿勢を大切にしているんですが、その意識は間違っていなかったんだな、と改めて感じました。
本当に一人一人の意識が高い選手ばかりで、学んだことは一言で言い表せないほど濃いものがありました。