絶対的な捕手不足解消も喫緊の課題
2位以降も投手を指名したい。東北地区には、富士大の左腕・佐藤 柳之介投手(東陵)、仙台育英の大型右腕・山口 廉王投手がいる。佐藤は実戦力が非常に高く、伸びのある速球を投げられ、地元選手としても人気を呼びそうだ。最速151キロ右腕の山口は発展途上だが、重量感のある速球は魅力たっぷりで天井は高い。
長身の本格派右腕ならば、狩生 聖真投手(佐伯鶴城)も先発ローテーション候補として期待できる。広島・森下 暢仁投手(大分商)を指導した渡辺正雄監督から学び、今年指折りの好投手へ成長した。145キロ前後のストレートをきっちりコントロールできる投球術は評価できる。口数は少ないが、黙々と取り組む選手で、楽天のカラーに合っていると思う。
狩生聖真(佐伯鶴城)
野手の選手層を見ていくと、薄いのが捕手だ。支配下5人、育成2人の7人しかいない。優勝したソフトバンクは支配下9人、捕手2人の11人だ。期待のスラッガー型捕手・安田悠馬(須磨翔風)、強肩の太田光(広陵)などがいるが、人数が少ない。この人数だとしっかりとしたスキルを身につけなくても試合に出られてしまう。捕手の補強は必ず行うべきだ。
オススメはセンバツ優勝捕手・箱山 遥人(健大高崎)だ。高校通算35本塁打の長打力、二塁送球1.8秒台の強肩はもちろんだが、今年のドラフト候補の中では最も“勝てる捕手”だ。勝つためにどうすればいいかを考えてリード面だけでなく、キャプテンとしてもチームメイトに厳しく接してきた。また箱山以外にもう1名捕手を指名して、競争を促したい。大学、社会人、独立問わず、スキルの高い捕手を指名するべきだろう。
外野手は辰己涼介外野手(社)、小郷裕哉外野手(関西)の2人がレギュラーになったが、1枠は空いている。早稲田大のスラッガー・吉納 翼外野手(東邦)、台湾の留学生スラッガーで圧倒的なパワーを秘める日本経済大・林 冠臣外野手、徳島インディゴソックスの二冠王・寺岡 丈翔外野手(東福岡)など強打者を指名して、戦力層を厚くしたい。
寺岡 丈翔(徳島インディゴソックス)
今年に関しては才能のある投手を多く指名して、投手陣のスケールを大きくしつつ、絶対的に数が少ない捕手を獲得し、競争を促す方針を徹底するべきだろう。
【楽天の今季成績】
143試合 67勝72敗4分 4位
支配下人数 61人