<秋季東京都高校野球:小山台3-0大東大一>19日◇3回戦◇JPアセットスタジアム江戸川

 小山台大東大一はこの夏も2回戦で対戦し、その時は1-0で小山台が勝っている。この秋は、投手は違うものの、やはりロースコアの接戦が予想された。

 大東大一の宮城 智仁監督は、「勝つにはエラーをしないで、後半勝負に持ち込むことです」と考えていたが、初回から守備のミスで失点する。

 1回表小山台は、1番・岡村ルカ内野手(2年)が内野安打で出塁すると、2番・近藤 大翔外野手(2年)のバントを大東大一の先発・辻井 晴斗(2年)は一塁に悪送球。岡村は三塁に進み、小山台の先発投手でもある3番・木島 匡(2年)の三ゴロで岡村が生還した。辻井はその後、好投をしただけに、惜しまれる失点であった。

 一方、小山台の先発の木島は、「今日は満点に近いピッチングでした。前の試合は力に頼っていましたが、今日は力を抜くところは抜けました」と語る。球速は130キロ台の半ばだが、カーブ、スライダー、チェンジアップなどの変化球で緩急をつけて大東大一打線を翻弄する。打たれた安打はわずかに3本。連打はなく、危なげない投球であった。木島がモデルとしているのが、ドジャースの山本由伸。「変化球の握りなどを参考にしています」と言う。

 小山台は、都立校で唯一準々決勝に進出した。都立校が秋季都大会で準々決勝に進出するのは、3年前の狛江以来になる。「これまでくじ運が悪く、なかなか勝ち進めませんでした」と小山台の福嶋 正信監督は言う。しかし対戦相手の早稲田実に関しては、2013年の秋や2019年の春に勝っているだけに、相性は悪くない。「しっかり研究します」と福嶋監督。ともに人気のあるチームだけに、多くの観客の前で好ゲームを期待したい。

 一方敗れた大東大一は随所に好プレーもあったが、1回に続き、7回の失点もエラー絡みであった。辻井投手は好投手なだけに、守りを磨いてほしい。