<秋季東京都高校野球大会:早稲田実7-0昭和(7回コールド)>19日◇2回戦◇JPアセットスタジアム江戸川
早稲田実は新チームになってから4番・遊撃手であった川上 真(2年)が腕を負傷し、大事を取ってスタメンから外れた。遊撃手には背番号14の五木 正剛(2年)が入り、打順は9番。4番は、1、2回戦は1番打者だった山中 晴翔捕手(2年)が入った。2回戦の修徳戦で山中は4打数1安打。極端に悪いわけではないが、山中の力を考えれば、いま一つの成績だ。「調子はよくないです。最低限、フライを上げないようにし、塁に出ることを意識しました」と山中は語る。この試合では、新4番打者の山中が攻撃の中心になった。
1回表は三者凡退で終わり、2回表早稲田実の先頭打者である山中がしっかり転がして内野安打にして出塁。二盗と犠打で三塁に進み、6番・喜澤 駿太内野手(2年)の中前安打で還り1点を先制する。
3回表は一死二塁から先発投手で主将の3番・中村 心大(2年)が申告敬遠で一、二塁となったところで、4番の山中が二塁打を放ち走者2人を還す。「タイミングは外れましたが、意外と伸びました」と山中は言う。山中は三塁に進んだ後、7番・渡邉 侑真外野手(1年)の右犠飛で還り、早稲田実はこの回3点を入れる。
さらに4回表、この試合2番に入った白仁田 航志外野手(1年)の左前適時打、3番・中村の適時二塁打に続き、山中も左前適時打を放ち中村を還し、早稲田実はこの回も3点を入れた。得点には絡まなかったが、山中は6回表の第4打席にも安打を放ち、4打数4安打2打点と4番の役割を果たした。
山中は打順について、「出塁することが求められる1番より、ランナーを還すことが求められる4番の方がいいです」と語る。
山中は捕手になったのは今年になってからで、西東京大会のころはまだ不慣れな感じもあったが、甲子園の舞台を経験し、捕手としても堂々としてきた。「ピッチャーが投げたい球種とか、気持ちが読み取れるようになってきました」と語る。
早稲田実の中村は1回裏に安打を2本打たれたものの、続く5イニングは内野安打1本を打たれただけで、6回を投げて被安打3、奪三振7、四死球1と安定した内容だった。7回は2番手の浅木 遥斗(2年)が奪三振2の三者凡退に抑え、7-0の7回コールドで早稲田実は準々決勝進出を決めた。
早稲田実としては順調な勝利であったが、和泉 実監督としては、「公式戦の経験が少ないので、まだ実力が出せていません。それでも勝つことで自信になります」と語る。準々決勝は27日、小山台と対戦する。
一方敗れた昭和の大原 博文監督は、「力負けです」と語った。早稲田実の一、三塁からの重盗を本塁で刺すなど、好守備もあった。けれども、実力の差があったのは確かだ。ただこういう力のあるチームと試合をしたことで、「いい勉強をさせてもらいました」と大原監督。昭和は、秋は2年連続でベスト16に残った。あと一歩の壁をどう破るか。高いレベルを体感できたことは、貴重な経験になったはずだ。