<第151回中日旗争奪全三河大会:豊橋中央9―1杜若 (7回コールドゲーム)>19日◇準決勝◇豊橋市民球場
杜若は夏ベスト4、豊橋中央は夏ベスト8。旧チームが共に躍進を果たした同士の対決だ。
夏、杜若は東邦と0対0のまま延長タイブレークにもつれ込む粘りを示した。結果的には0対1で敗れたものの、チームとしては大いに自信になったはずである。その主戦だった西脇 光世投手(2年)と北本 祐規捕手(2年)のバッテリーに、本格派右腕の長塚 陽太投手(2年)なども新チームに残った。この秋は西三河地区予選は1位校として県大会に進出。
シード校となった県大会でも栄徳、安城にいずれも完封勝ちでベスト8。準々決勝では名城大付に敗れて悲願の東海地区大会進出は逃したが、しっかりとチーム力のある所を示していた。今大会でも、ここまでは残るべくしてベスト4に残ったという感じである。
豊橋中央は、昨秋の秋季県大会でベスト4に進出。3位決定戦でも旋風を起こしていた小牧南を下して初めての東海地区大会に進出した。その舞台では県岐阜商に完封負けで屈したが、それでもチームとしての一つの歴史は作った。
この夏は準々決勝に進出して杜若に3対8で敗れた。秋の新チームは東三河地区2位校として県大会進出。県大会では3回戦で菊華に敗れたが、全三河大会では安城、刈谷を下してのベスト4となった。
豊橋中央は、杜若の先発堂本 隼投手(1年)を捉えて、一死後連打。二死一三塁となったところで、5番松井 蓮太朗捕手(2年)が一二塁間を破って先制打。萩本 将光監督が「松井はチームの核なので、あれが打つと勢いづく」というように、その後も豊橋中央は攻め続け、打者10人で5点を奪った。2回にも失策の走者をバントで進め、4番砂田隆晴選手の犠飛で1点を追加した。予想外の展開になっていった。
このリードで、豊橋中央の先発白井 寛人投手(1年)は、余裕を持って投げられた。白井投手は5回を投げて4安打1失点。6回は富安 篤希投手(2年)が1四球はあったものの0に抑え、7回はエースナンバーを背負い経験も豊富な高橋 大喜地投手(1年)が三者凡退に抑えた。5回にも2点を追加し、7回にも内野ゴロで加点していた豊橋中央は、余裕を持ってのコールドゲームとなった。
豊橋中央は、走塁の意識も高く5回の2点も、積極的の次の塁を狙っていく意識から奪ったものだった。7回も、無死の走者を盗塁と2本の内野ゴロで還している。
夏のリベンジも果たしたという形になった豊橋中央だったが、萩本監督は、「久しぶりに気持ちのいい試合でした(笑)。ケガで外れていた松井が戻ってきて、これでチームとしても、しっかりと核ができました。彼は人間的にもしっかりしており、仲間からも頼られています」と評価していた。投手に関しては、経験も積ませる意味で先発した白井投手を「よく投げてくれた」と称えていた。盤石の投手リレーだったとも言えよう。
杜若の田中 祐貴監督は、「1年生の堂元がどうかな…? というところもあったのですが経験も積んで欲しいと思い、先発させたのですがね(苦笑)。2点のビハインドまでだったら、覚悟していたのですが、5点は取られすぎでした」と初回の失点を悔やんだ。「ワンサイドになっていかれそうな中で、何とか返していかなくてはいけないのですが、そのためには本当の力をつけていかないといけません。もう一度出直しです」と、来春へ向けてのチームの方向性を見定めていた。
東西三河地区の1校と2位校の襷がけとなった準決勝だったが、東三河勢が2試合とも勝って、決勝は東三河勢対決。3位決定戦は西三河勢対決。秋季県大会のブロック予選二次トーナメントの決勝と同じ対戦カードとなった。