今年2位に大躍進した日本ハム。新庄剛志監督3年目でついに多くの選手が伸びてきた。投打ともに中心選手は20代。脂が乗った30代前半の選手たちもうまく機能しており、来季も戦力が大きくダウンする気配は見られない。計画的にチーム作りしてきたことが伺える。今年も即戦力ありきではなく、数年後を見据えたドラフト戦略が見られそうだ。

左のエース候補・金丸を指名して盤石な投手陣形成を!

 日本ハムはつねに世代NO.1の選手を果敢に指名するのがポリシーだ。補強ではなく、ロマンのある選手を育てて、スケールの大きい球団にする。その結果、ドジャース・大谷 翔平投手、万波 中正外野手(横浜)、清宮 幸太郎内野手(早稲田実業)が期待通りスケールが大きい選手に育ってきた。

 スタメン野手、投手陣を見ていくと数年後、どちらの層が薄くなるかといえば、投手だろう。ローテーションの山﨑 福也投手(日大三)、加藤 貴之投手(拓大紅陵)はともに32歳。2人とも今年から4年契約を結んでおり、契約最終年の27年まで同等のパフォーマンスを維持できているかといえば、未知数なところがある。衰えも想定して次世代の先発投手育成が鍵となる。

 規定投球回に達したのは山﨑、加藤に加え、最多勝を獲得した伊藤 大海投手(駒大苫小牧)の3人。2年目の金村 尚真投手(岡山学芸館)は136回を投げ、7勝をあげた。金村は中継ぎ起用もあったので、最初からローテーション固定ならば、規定投球回に達していたかもしれない。

 今年投手のNo.1ならば、関西大の金丸 夢斗投手(神港橘)となる。平均140キロ後半の速球を投げ込み、複数の変化球を操り、投球の出し入れも実に上手い。金丸が獲得できれば、かなり先発の層は厚くなる。じっくりとエースとして育てたいところだ。

 外れ1位は報道も出たように、二刀流・柴田 獅子投手(福岡大大濠)になるか。日本ハムは若手の柳川 大晟投手(九州国際大付)、福島 蓮投手(八戸西)という長身投手の球速アップを実現させている。柴田もこの路線に乗ってほしい。また、二刀流としてスタートするならば、大谷のように一軍で使いながらというよりも、二軍で2、3年の養成期間を経て一軍定着という構想になるのではないか。


柴田 獅子(福岡大大濠)

若手世代では1人もいない守備型ショート指名を!!

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