<秋季東海地区大会:至学館2―0聖隷クリストファー>20日◇2回戦◇ちゅ~るスタジアム清水球場

 来春の第97回センバツ高校野球大会の出場の重要資料となる東海地区大会。昨年度から、東海地区の出場枠は1校増えて3枠となっているだけに、まずはベスト4進出を果たせば大いに可能性は高まるということになる。

 今秋の愛知県大会を制した至学館。県大会では準決勝で勢いに乗る名古屋たちばなを下し、決勝でも夏の優勝校の中京大中京を下しての優勝となった。シード校として迎えるのは静岡県3位校の聖隷クリストファーだ。

 聖隷クリストファーは県大会では常葉大橘や3位決定戦では東海大静岡翔洋といった甲子園出場の実績のある学校を下してきた。今大会の1回戦では、2年生レギュラー9人で夏の甲子園に出場した菰野を下しての2回戦進出である。

 ある程度点の取り合いを予想していたが、試合はロースコアゲームとなる。初回の攻防が明暗を分ける形となった。

 初回、先攻の聖隷クリストファーは一死後、連打で一二塁とするが、ここから至学館の先発尾﨑 陽真投手(1年)は、しっかりと抑えた。

 その裏、至学館は先頭の武藤 駿輝選手(1年)と2番船橋 幸多主将(2年)が連続安打してバントで一死二三塁とする。ここで、4番坂下 虎太郎選手(2年)が左前打して、野手がややもたついたところもあって、一気に2人が生還して2点先制した。

 終わってみれば、結果としてこの2点げ決勝点となった。

 その後は連投となった聖隷クリストファーの高部 陸投手(1年)と尾﨑投手の投げ合いという展開に。緊迫した投手戦というよりも、どちらも投手が走者を出しつつも、何とか要所を凌いでいく我慢の投げ合いだった。

 至学館としては、3回に2番船橋主将の内野安打と盗塁と悪送球などで無死三塁を作った。絶好の追加点の好機を作ったが、一死後にいわゆるゴロGOで本塁を狙っていったが、三本間で刺され、さらには打者走者も一二塁間で刺されてしまうという形になり、機動力を生かした攻撃は、裏目の併殺となってしまった。そんなこともあったが、尾﨑投手が辛抱強く投げ抜いた。

 至学館の鈴木健介監督は、「こういう競り合ったロー(スコア)ゲームをものにしていくことは、大きいです。完封はできすぎですけれども、制球がよくて相手打者を見ながらの力のバランスがいいですから」と、尾﨑投手に対する信頼は厚い。それでも、「他にも投げられる投手はいるのですけれども、機会を与えられていません」と、まだ投手がいるということをほのめかしていた。そして、チームとしての戦い方に関しては、「決して力があるワケではないですが、それだからこそ結束してやって行こうという思いでよくやってくれた」と、選手たちを称えていた。

 聖隷クリストファーとは、3年前のこの大会準決勝で9回に逆転しながら、その裏再逆転をされてしまって悔しい敗退ということがあった。至学館としては、その悔しさも晴らしたこの日の勝利だったと言っていいであろう。