近年、レベル向上が著しい大学球界。プロ入りへのハードルは年々高まっており、支配下指名を勝ち取るのはそう簡単ではない。その中で支配下指名は確実視されている関西地区の大学生4選手を紹介する。

大学生NO.1左腕の金丸は実力だけではなく、ストイックさも魅力 懸念材料は怪我続きの体

 まず1人目は関西大の金丸 夢斗(神港橘)。言わずと知れたドラフトの目玉だ。最速154キロのストレート、鋭く落ちるスプリットにスライダー、チェンジアップ、カーブと全ての球種のクオリティが高く、制球力も申し分ない。

 今年は春のリーグ戦中に腰の骨挫傷を発症。春の後半戦で離脱、秋もここまでリリーフでの登板が続いているが、春秋合わせて53回で自責点0と圧倒的な実力を見せつけている。

 中学時代は公立中の軟式野球部。神港橘でも2年生までは無名の存在だった。転機となったのが高校3年の春。新型コロナウイルスの影響で、全国的に練習がままならなかった時期だ。

 大会が中止になり、モチベーションを保つのが難しい中でも自宅周辺でできるトレーニングを実施。自主的に練習をする習慣を身に付けたことが後の飛躍につながった。

 チーム内でも「野球に対してストイック」と評判であり、体のケアや栄養管理には人一倍気を遣っている。自分に必要なことを取捨選択して実行できる思考力があるため、プロの世界でも自分を見失うことなく、努力を続けられるだろう。

 実力を考えれば、ルーキーイヤーから2桁勝利をしてもおかしくない。昨年は右膝、今年は腰と怪我が相次いでおり、コンディションを万全にシーズンを戦えるかが一番の課題になりそうだ。

通算119安打の渡部 聖弥は打撃技術、精神力の強さを兼ね備えた強打者

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