通算119安打の渡部 聖弥は打撃技術、精神力の強さを兼ね備えた強打者

 関西で野手の目玉となるのは大阪商業大の渡部 聖弥(広陵)。関西六大学リーグタイ記録の通算119安打をマークしており、2年秋にはリーグ新記録の5本塁打を記録している。確実性と長打力を兼ね備えており、逆方向にも長打が打てるのが強み。昨年の全日本大学野球選手権では東京ドームの右翼席中段に放り込んでいる。

 守備では三塁手と外野手をこなせるのが魅力。高校2年の春は三塁手で甲子園に出場しており、その後、外野手に転向した。大学でも今春までは中堅手で出場していたが、並行して内野の練習もしていたという。今秋は満を持して三塁手で出場。ブランクを感じさせないプレーを見せており、スローイングの強さには目を見張るものがある。

 本人は「サードとセンターは同じくらい自信を持って守れます」と発言しており、チーム事情に合わせてポジションを複数こなせる点はプロに行っても強みにできるだろう。

 また、精神力も高く評価できるポイントだ。どんな結果に終わっても試合後の取材には落ち着いて質問に答えており、精神的に安定している印象を受ける。

 16日に行われた大阪経済大との優勝決定戦では1点を追う9回裏の無死一、二塁から自らの意思でバントを選択。通算安打記録の更新がかかる中でチームの勝ちを優先するメンタリティ、重要な場面で簡単に成功させる勝負強さは高く評価されるべきだろう。

 渡部にバントのサインが出ることはほぼないが、日頃の練習からここ一番の場面を想定して準備を怠らなかったからこそできたバントだ。どんな練習も真摯に取り組む姿勢はスカウトからも高い評価を得るのではないだろうか。


大阪経済大との優勝決定戦で送りバントを決める渡部 聖弥(大阪商業大)

大阪経済大のエース、左の強打者も秋で評価急上昇!

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