10月24日のドラフト会議で、早稲田実・宇野真仁朗内野手が、ソフトバンクからドラフト4位指名を受けた。

高校通算64本塁打の打撃に加えて、50mを6.1秒で駆け抜ける脚力を持つ。走攻守の3拍子を兼ね備えた逸材としてNPBの扉を開いたが、宇野のなかでは、悩んだ末の決断だったことを記者会見で明かした。

「早稲田実に入学した時点で、大学野球で4年間プレーできる可能性があることは理解していましたし、進学する気持ちもありました。しかし、自分たちのチームになってから評価してもらえるようになり、小さい頃からの夢だったプロ野球が見えてきた。なので、夏の甲子園、そしてU-18代表が終わってから、大学進学するか。それともプロ野球に進むか悩みましたが、最後は目標だったプロ野球選手になりたいというのが決め手になりました」

宇野とともに記者会見に出席した和泉監督も、当時のことを振り返る。
「秋に準決勝の関東一に敗れた際、初めて宇野がプロを意識した発言を新聞で見たんですよ。そこには『認められたら、そういった世界に』といったニュアンスでしたけど。センバツを逃した悔しさもあって、瞬間的に出たんだと思いますけど、お父さんにも聞いたら、『そんなの全然ないです』ということでした。なので、家族会議をしたわけではないみたいでした」

和泉監督、そして宇野の家族にとっても多少の驚きだったようだが、結果として夢を実現させたこと自体は素晴らしい。和泉監督も、「甲子園に行きたいという一生懸命な姿が評価されたこと。そして彼を支えた仲間がいたから」だと語ったうえで、こんなエールを送った。

「我々は期待半分、不安半分。ドキドキしながらでしたけど、まず夢が叶いました。ただ、これからがスタートラインです。プロに入るよりも活躍すること、そして最終的には彼も言った日本を代表するような選手になることだと思うので、厳しい世界になると思います。でも彼なら夢に向かって突き進んでくれると思うので、『頑張れ』という気持ちしかありません」

悩んだ末に実現させた、夢のプロ野球選手。ただ、和泉監督が語ったように、ここからがスタートライン。宇野自身も、「日本球界を代表する選手になれるように、日々の努力を怠らずにやりたい」と気の緩みはない。その一方で、「野球漬けの毎日になりますが、焦ることなく真摯に野球に取り組みたい」と焦りはない。

果たして今後どんな選手になっているのか。いつの日か、日の丸を背負って活躍する姿が見られることを期待したい。

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