今年のドラフト会議では、育成を含めて計123名が指名された。「ドラフトの結果がわかるのは5年後」と言われるものの、あえてドラフト直後の各球団の指名を評価していきたい。今回はパ・リーグ編だ。パ・リーグは即戦力というより、将来性込みの評価をしている。長期的な視野でドラフトをしていてとても好感が持てた。

西武 即戦力の渡部獲得は大きい、ロマン型の野手の成長に期待

✕ 宗山 塁(内野手/広陵-明治大)
✕ 石塚 裕惺(内野手/花咲徳栄
1位 斎藤 大翔(内野手/金沢
2位 渡部 聖弥(外野手/広陵-大阪経済大)
3位 狩生 聖真(投手/佐伯鶴城
4位 林 冠臣(外野手/日南学園-日本経済大)
5位 篠原 響(投手/福井工大福井
6位 龍山 暖(捕手/エナジック
7位 古賀 輝希(内野手/佐賀商-日本経済大-千曲川硬式野球クラブ)
育成1位 冨士 大和(投手/大宮東
育成2位 佐藤 太陽(内野手/浜松商-神奈川大)
育成3位 ラタナヤケ・ラマル・ギービン(内野手/大阪桐蔭
育成4位 佐藤 爽(投手/札幌山の手- 星槎道都大)
育成5位 澤田 遥斗(外野手/京都国際
育成6位 福尾 遥真(内野手/学法石川
育成7位 ウメビンユオ オケム明(外野手/旭川志峯

 1位の守備型の高校生ショート・斎藤は良い選手であるが、パンチ力が弱い。貧打にあえぐ西武の中で打撃面で存在感を示せるか。入団後の打撃の成長に期待したい。2位の渡部はナイスな指名。将来的に高打率を残せる野手を指名できたのはチーム事情に合っていた。3位の狩生を将来のエース候補として獲得できたのは大きい。

 4位の林、育成3位のラマルはロマン型スラッガー。育成1位の冨士はどう化けるか楽しみな左腕。0で終わるかもしれないし、100点の成果を収めるかもしれない。それほど振り幅が大きい投手。まずは渡部が1年目から存在感を示し、その他の選手が2年目、3年目に台頭できるようにしていきたい。

【評価80点】

オリックス 1位麦谷はチームの雰囲気を変える逸材、未知数な選手の指名がやや多い

✕ 西川 史礁(外野手/龍谷大平安-青山学院大)
1位 麦谷 祐介(外野手/大崎中央- 富士大)
2位 寺西 成騎(投手/星稜-日本体育大)
3位 山口 廉王(投手/仙台育英
4位 山中 稜真(外野手/木更津総合-青山学院大-三菱重工East)
5位 東山 玲士(投手/丸亀-同志社大-ENEOS)
6位 片山 楽生(投手/白樺学園-NTT東日本)
育成1位 今坂 幸暉(内野手/大阪学院大
育成2位 武蔵(清水 武蔵)(内野手/国士舘-栃木ゴールデンブレーブス)
育成3位 上原 堆我(投手/花咲徳栄
育成4位 寺本 聖一(外野手/広島商-広島経済大)
育成5位 田島 光祐(捕手/龍谷大平安-中部学院大(中退)-信濃グランセローズ)
育成6位 乾 健斗(投手/霞ヶ浦

 現在“ぬるま湯”体質にあるというオリックス。全力プレーを心がけ、大舞台ほど燃える麦谷は、チームを大きく変える可能性がある。ただ、左の外野手は多いので、今後の編成に影響しそうだ。

 2位の寺西、3位の山口は好素材だが、寺西は故障がち、山口は発展途上と未知数の要素が多い。勢いのあるストレートを投げる片山、育成では野球脳が高いショート・今坂などがいるが、大当たりできるか。予想を覆す成長がなければオリックスの低迷は続きそうだ。

【評価 70点】

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