昨日のドラフト会議で中日から1位指名された関西大の金丸 夢斗神港橘)が大阪府吹田市内の同校で井上 一樹監督らから指名あいさつを受けた。

 4球団競合の末に金丸を引き当てた井上監督はガッツポーズをした際に左肩を脱臼。その光景を画面越しに見ていた金丸が「肩、大丈夫ですか?」と井上監督を気遣う場面も見られた。

「あれだけのガッツポーズをして頂いて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」と話した金丸。井上監督も金丸の人間性に惹かれている印象だった。

「見ての通り好青年。それまでのメディアの受け答え、練習の態度も非の打ち所がないというような情報はもらっていましたので、会った瞬間に『なるほどね』という感じでした。練習に臨む姿勢、試合での結果、それに加えて私生活から全てにおいて二重丸。ボール投げれば一級品。態度、受け答えから全て非を打つところがないと聞いていましたので、『彼を獲らずして誰を獲るの?』というぐらいの気持ちでした。実際、 競合するのも覚悟で、金丸君に行こうと思っていました」

 金丸は最速154キロの速球を投げる本格派左腕。変化球の精度や制球力も高く、関西学生リーグでは昨秋から72回連続自責点0をマークした。今年3月には侍ジャパントップチームにも選出。楽天から1位指名を受けた明治大の宗山 塁(広陵)と並んで今ドラフトの目玉だった。

 実力もさることながら、野球に対するストイックな一面にも定評がある。実家暮らしの金丸は母親の協力もあり、揚げ物を一切口にしないなど、食事管理も徹底していた。山口 健太主務(佐賀北)が金丸の自宅に遊びに行った際は金丸と違うメニューが出されたという。

 その中でも近寄りがたさはなく、金丸の周囲には自然と人の輪ができる。22日に行われた関西学生リーグの閉会式では他大学の選手からサインや写真撮影を求める列に殺到していた。

 接した誰もが好印象を抱く金丸の人間性。プロに進んでもたくさんのファンから愛される選手になるだろう。

「最終的には日本を代表する投手になるのが目標」と話す金丸。ルーキーイヤーから即戦力として活躍してくれそうだ。