高身長投手の指名が相次ぐ!広島5位の200センチ・菊地ハルンを育てた指揮官が語る指名につながった夏以降の成長

 今年のドラフトで2位以内の上位指名された高校生投手は、日本ハムドラフト1位の柴田 獅子投手(福岡大大濠)、同2位の藤田 琉生投手(東海大相模)、阪神2位の今朝丸 裕喜投手(報徳学園)の3人だった。彼らには共通点がある。柴田が189センチ86キロ、藤田が198センチ96キロ、今朝丸が188センチ80キロ――。すべて高身長なのである。

 ちなみに広島は5位で200センチ110キロの菊地 ハルン投手(千葉学芸)を指名している

 今年計32人の高校生投手が指名されたが、185センチ以上の高身長投手はじつに16人。半数を占めている。

 この兆候は昨年のドラフトから感じられた。楽天は3人の高身長投手を指名したのだ。

2位 坂井 陽翔滝川第二)186センチ84キロ

3位 日當 直喜東海大菅生)190センチ100キロ

7位 大内 誠弥(日本ウェルネス宮城)191センチ77キロ

 この流れは今後も加速していくだろうと考えた筆者は、昨秋、千葉学芸の高倉伸介監督に連絡をとった。同校には身長200センチの菊地ハルンがいたからだ。

 中学時代は控え投手だった菊地は、高校入学当初のストレートは120キロ台。体作りを経て、高校2年春には最速141キロ、そして高校2年秋には146キロまでに速くなっていた。しかし、試合を投げ切るスタミナはなく、変化球はカーブだけ。試合を作る投球術もまだまだ。まさに“未完の高身長投手”の表現がぴったりだったのだ。

 だが高倉監督は、すでに昨年のドラフト直後から「すでに何球団か菊地の練習を見たいといっています」と語った。12球団は「高身長投手」のリサーチに動いていたのだ。

「高校生投手ではトップの評価」

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