<令和6年度秋季近畿地区高等学校野球大会:市和歌山10-0立命館宇治(6回コールド)>27日◇準々決勝◇ほっともっとフィールド神戸

 市和歌山(和歌山3位)が立命館宇治(京都1位)に6回コールド勝ち。「ロースコアでなんとか後半勝負かな」と半田 真一監督の予想を大きく上回る大勝だった。

 打線に火を付けたのは6番捕手の主将・川邉 謙信。4打数4安打1本塁打3打点の活躍だった。

 市和歌山は1回表に二死満塁のチャンスを作ると、川邉に打席が回る。「思い切ってアウトになっても良いやという気持ちで、しっかり振っていきました」と1ボール1ストライクから三塁手の頭上を越える左前適時打で先制。続く7番・岸上 優一朗(2年)も右前適時打を放ち、リードを2点に広げた。

 これで勢いに乗った市和歌山は打線が爆発。3回表には二死三塁から川邉の左翼線への適時二塁打で1点を追加。4回表には二死二塁から3番・石山 大翔(2年)が右越え適時三塁打を放ち、さらに1点を加えた。

 たまらず立命館宇治は5回表から最速146キロ右腕の柴田 淳之介(2年)を投入。その柴田に対しても4安打4打点と攻め立て、1イニングを投げ切ることなく、マウンドから引きずり下ろした。

 トドメは6回表、一死から川邉が左翼席へのソロ本塁打で1点を追加。「あまり記憶がないので、何とも言えないです」と公式戦初本塁打を振り返った。

 さらに市和歌山は二死二塁から9番・有本 悠眞(1年)の中前適時打で10点差とする。投げてはエースの土井 源二郎(2年)が「ストレートの走りとコントロールが悪かった」と本調子ではないながらも5回まで無安打投球。変化球を上手く駆使して、6回2安打1四球で立命館宇治打線を抑え込んだ。

 県大会は苦しみながらも3位通過。近畿大会も初戦では三田学園(兵庫3位)投手戦の末に1対0で辛くも勝利を収めた。それがこの日は17安打10得点の猛攻で京都王者を寄せ付けなかった。

「公式戦という緊張感のある試合を一戦一戦勝ち上がっていくことが力になっていくし、自信になっていると思います。 元々これくらいの能力はあったのかどうかわかりませんが、不安な状態から自信にだんだん変わって、思い切ったプレーが表現できているんじゃないかなと思います」と話す半田監督。激戦を乗り越え、センバツを懸けた重要な一戦で持っている力を爆発させる形となった。