この夏、沖縄大会の決勝に進んだエナジックスポーツ高等学院。惜しくも興南に敗れたが、その名前は大きくクローズアップされた。長らく沖縄の私立校は、ともに全国制覇の実績のある沖縄尚学興南の存在しか知られていなかった。そこへ、突如として現れたエナジックスポーツ。「一体、どんな学校なんだ」と、全国の高校野球ファンの間で話題になった。

沖縄の名将が率いるエナジック

 エナジックスポーツは2022年に野球とゴルフに特化した通信制スポーツスクールとして名護市に設立された。母体は地元では知られている学校法人大城学園である。現在は全日制普通科も併設している。学科としてのスポーツコースではなく、まさにその競技のスペシャリスト育成の色合いが強い。寮も完備されており、野球部員は全員全日制となっている。午前中は通常授業を受け、午後には多くの時間を競技に注ぐことができるシステムになっている。また、国際舞台で通用するコミュニケーション力もつけるという方針で、英語授業には力を入れているという。

 野球部を率いるのは、学院副院長でもある神谷嘉宗監督だ。沖縄県の公立校で長く指導をしてきて、2008年夏には浦添商を甲子園出ベスト4まで導いている。その後異動した美里工でも2014年にセンバツ出場。機動力を重視したノーサイン野球を提唱している。

 興南沖縄尚学という2強が存在する沖縄県にあって、新興勢力としてどこまで力を発揮できるか、今後も注目される。学校としては今後、野球・ゴルフに加え、駅伝や卓球、ボーリングなどにも力を入れていきたい方針だという。

 チームの一期生となる強肩捕手・龍山 暖(3年)がプロ志望を表明した。甲子園出場は叶わなかったが、3年目にして初のプロ野球選手が誕生しようとしている。

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