10月24日、今年のドラフト会議が行われました。本指名69名、育成54名の計123名が夢を叶えました。個人的にも嬉しい指名がありました。DeNA2位指名の篠木 健太郎投手、オリックス4位の山中 稜真外野手の指名です。
2人とも千葉の名門・木更津総合出身。この夏も甲子園出場した木更津総合ですが、この2人の在学期間中は最も勢いがあった時期だったと思います。15年〜18年まで春夏のいずれかに出場して、16年から3年連続で夏の甲子園に出場していました。山中選手は入学から3年連続で夏の甲子園に出場。篠木投手は1度のみですが、1年夏に甲子園出場を経験しています。木更津総合ではこの2人の勇姿を地元・千葉の球場でずっと見続けてきました。
高校1年生から別格だった篠木健太郎
篠木投手は1年春からベンチ入り。初めてみたのは春季関東大会の準決勝の健大高崎戦でした。リリーフで登場した篠木投手は伸びのある140キロ台の速球を投げ込んでいました。まだ細身でしたが、伸びのある速球を投げ込んでいました。1年夏には甲子園を経験。3回戦の下関国際戦でリリーフデビューし、2回2失点でした。140キロ台の速球は出ていましたが、厳しい全国の舞台になりました。
高校時代の篠木健太郎
再び現場で見たのは秋季大会後に行われたローカル大会。木更津総合は決勝進出し、拓大紅陵と対戦。先発した篠木投手は初回から140キロをマークし、常時130キロ後半の速球、120キロ前半のスライダー、100キロ台のカーブを織り交ぜながら、7回1失点11奪三振の好投で勝利を収めました。荒々しかった1年の春〜夏に比べて、コントロール、テンポも改善して先発投手として大きく成長を見せていました。
2年春になるとストレートは常時140キロ中盤の速球で打者を圧倒し、雄叫びを挙げる姿が印象的でした。まだ2年生ですが、“千葉の顔”になる選手と思い、編集部で特集を組みました。インタビューした同僚に話を聞くと、ボールの握り、フォームの考えまでかなりこだわっていると聞きました。それが高次元のパフォーマンスを生んでいるんだなと思いました。
篠木投手は快投を続けていくたびに“千葉の顔”から、“全国を代表する投手”へ成長しました。最後の夏はコロナ禍の影響で甲子園が中止になりましたが、3年夏は独自大会で30回を投げ34奪三振、防御率0.60の快投でした。特に決勝戦の専大松戸戦での投球が凄まじく、最速149キロ、平均球速145.12キロと圧巻の投球内容。同世代では高橋宏斗投手(中京大中京-中日)に次ぐ投手でした。
プロからも注目されましたが、プロ志望届を提出せず、大学進学を決断。法政大の4年間で、最速157キロまで伸びて、東京六大学通算14勝、230奪三振を記録しました。篠木投手はドラフト前のインタビューで、元近鉄の高村祐コーチからカーブ、フォークを教わり、投球の幅が広がったと手応えを感じていました。苦しい時期もありましたが、4年シーズンの投球は実戦的になっていました。
まだ細かな制球力など課題はありますが、篠木投手はこれから全盛期を迎える投手です。躍動感のある投球フォームで、伸びのある快速球でセ・リーグの強打者を翻弄する投球を見せてほしいと思います。