高校時代はどこでも守れるアベレージヒッターだった山中 稜真

山中選手の指名には驚きました。当時から打撃センスは高かったのですが、プロ受けするスケールのある選手というわけではなく、木更津総合の野手では山中選手の1学年上で、186センチの大型遊撃手・峯村 貴希内野手(Honda)、同学年でスラッガー・野尻 幸輝外野手(Honda)のほうがスケールがありました。

高校時代の山中 稜真

 高校時代の山中選手は、複数ポジションを守れるアベレージヒッターでした。1年秋からレギュラーとなり、当時は外野手でした。2年夏には一塁手としてレギュラーをとり、最上級生には捕手として出場。凄みを発揮してきたのは3年春からで、県大会決勝の習志野戦で相手投手のフォークを鮮やかにレフト方向へ打ち返した打撃は忘れられません。バットコントロールは他の選手にはないレベルにありました。夏の東千葉大会では24打数10安打の活躍で、甲子園出場に貢献。そして夏の甲子園でも12打数5安打の活躍を見せてくれました。

 青山学院大では外野手へコンバート。4年春のシーズン前に取材をしましたが、打撃練習では鋭い打球を飛ばし、外野守備でも強肩を披露していました。高校時代と比べて着実に力強くなっており、東都通算4本塁打を記録しました。しかし、この時もまだプロにいく選手とは思っていませんでした。

 三菱重工Eastでは1年目からレギュラーを獲得し、3番ファーストで活躍。この夏は都市対抗優勝にも貢献しました。どのポジションもこなせて、入社1年目から主軸を打つ左打者をプロはしっかりと評価していました。高校時代の山中選手を知っている筆者からすれば嬉しい出来事です。

 木更津総合OBはプロの世界でも活躍しており、16年のエース・早川 隆久投手が楽天で今季11勝を挙げる活躍。通算31勝を記録しており、球界を代表する左腕へ成長しつつあります。15年のエース・鈴木 健矢投手も日本ハムの中継ぎとして通算83試合に登板。17年のエース・山下輝投手は21年ヤクルト1位となりましたが、ここまで怪我に苦しんでおり復活を期待したいです。

 木更津総合黄金時代を支え、プロ入りした主力選手たちが活躍を見せることができるか注目しています。