日本プロ野球最高峰の日本シリーズ、第6戦が3日行われ、DeNAがソフトバンクを破り、対戦成績を4勝2敗として、1998年以来、26年ぶり3度目の日本一を決めた。
パ・リーグで優勝し、クライマックスシリーズ負けなしで日本シリーズに進出したソフトバンクに対して、DeNAはセ・リーグ3位からの「下剋上」を果たしての日本一だった。
日本一を争って戦ったこの2チーム。高校時代を振り返ると、ちょっとした共通点があることに気付く。このシリーズでスタメン起用された野手の高校時代を見ると、甲子園でプレーした経験がなく、ドラフトでも下位で指名された選手は多い。(★は甲子園経験。カッコ内はドラフト年度と順位)
【ソフトバンク】
柳田 悠岐 広島商(10年2位)
周東 佑京 東農大二(17年育成2位)
今宮 健太 明豊★(09年1位)
山川 穂高 中部商(13年2位)
栗原 陵矢 春江工★(14年2位)
正木 智也 慶応(21年2位)
近藤 健介 横浜★(11年4位)
牧原 大成 熊本・城北(10年育成5位)
柳町 達 慶応(19年5位)
甲斐 拓也 楊志館(10年育成6位)
海野 隆司 関西★(19年2位)
笹川 吉康 横浜商(20年2位)
【DeNA】
桑原 将志 福知山成美(11年4位)
牧 秀悟 松本第一(20年2位)
佐野 恵太 広陵(16年9位)
宮﨑 敏郎 厳木(12年6位)
戸柱 恭孝 鹿屋中央(15年4位)
梶原 昂希 大分雄城台(21年6位)
森 敬斗 桐蔭学園★(19年1位)
筒香 嘉智 横浜★(09年1位)
DeNAでは、ドラフトでは筒香こそ1位だが、桑原、梶原、宮﨑と打線を支えるメンバーは、甲子園出場経験もなく、4位以下の指名だった。華々しい高校時代を過ごしていない選手らが、アマチュアでレベルを上げ、プロでも努力を重ねた結果なのだろう。
ソフトバンクにも育成選手出身や、柳田など甲子園に出場していない選手はいる。高校時代に華々しく活躍した経験がなくとも、日本シリーズの舞台を踏めるのは十分可能なのだ。
日本シリーズでは連敗スタートから4連勝。セ・リーグ3位からの「下剋上」を果たしたDeNAの道のりは、この日を迎えるまでに、人知れず努力を重ねた選手らのサクセスストーリーとダブってみえた。