<秋季愛知県大会 準々決勝:中京大中京 6―0 菊華>◇2024年9月16日◇小牧市民球場
今月7日に始まった秋季愛知県大会は、順調に日程を消化して、早くもベスト8の準々決勝となった。この夏の愛知大会を7年ぶりに制して甲子園出場を果たした中京大中京は、甲子園でも初戦で宮崎商を下した。2回戦では神村学園に1点差で逆転負けをしたものの名門校としての存在感は十分に全国に伝えることができた。
秋の新チームも、名古屋地区予選で決勝トーナメントを制して1位となり、シード校となった。県大会でも初戦では大同大大同、3回戦では西春にいずれもコールド勝ちしての進出である。この秋も、優勝候補に挙げる声が多い。
その中京大中京に挑む形となったのは、菊華。名古屋地区予選では一次トーナメントでは会場校の栄徳を下して1位校で二次決勝トーナメントに進出。決勝トーナメントでは名城大附にコールド負けしたが、初戦で一宮南を下し、2回戦では知多1位の知多翔洋、3回戦では昨秋3位の豊橋中央に競り勝っての進出である。
中京大中京は、2回に一死一三塁から8番に入っている木村颯汰投手(2年)の安打で先制。さらに4回にも二死走者なしから、6番中村陽太捕手(2年)が一二塁間を破って出塁すると、代打高森辰平選手(2年)が一振りで三塁打を放ち、1点を追加する。
先発した木村颯汰投手(2年)は、いいテンポで投げ込んでいって菊華打線を抑えていく。一方中京大中京打線は、積極的に打って行くのはいいのだけれども、飛球アウトが多く、5回を終えて15アウトのうちの12が飛球だった。そのあたりの修正が必要だったのだが、5回を終えて整備とクーリングタイムの間に高橋源一郎監督は選手とも話して、しっかりと叩いて強く低い打球を打っていくことを再度確認したという。
6回には先頭の3番岡部純陽主将(2年)が右前打するとバントで進め、二死二塁から中村選手がコンパクトに振り抜いて左前打で帰して3点目。その後も7回に2点、8回にも下位の連打で追加点を挙げて6点目。先発木村投手が5回を無失点に抑え、6回からは、夏の大会でも、苦しい場面で何度かリリーフのマウンドに立った田中太久哉投手(2年)がしっかり抑えた。高橋監督も、「すっかりエースらしくなってきてくれた」と、その成長を喜んでいた。
9回には193センチの剛腕・宮内渉吾投手(2年)に繋いだ。背番号10をつけた宮内投手は、まだ、多少のバラつきはあるようだが、素材力の高さは誰もが認めるところ。この日も最後の打者を147キロのストレートで三振に獲ったのは見事だった。高橋監督も、「田中が大事なところでしっかり抑えられて、1番を貰っているので、宮内もそれを見て何かを感じて欲しいと思っているんですがね…」と、大器として期待は大きいだけに、厳しい目にもなる。それでも、3人でピシャリと抑えた今日の宮内投手の投球には及第点を与えていた。
菊華は何とか食い下がって行こうという姿勢は示していた。しかしながら、結果としてはじわじわと引き離されていくという展開で、澁谷渉監督としても、なかなか手の打ちようがなかったというところだろうか。