<仙台六大学野球秋季新人戦:宮城教育大8-4東北大>3日◇1回戦◇東北福祉大野球場
3日に開幕した仙台六大学野球秋季新人戦。宮城教育大は東北大を逆転勝利で下し、準決勝進出を決めた。
宮城教育大は初回にいきなり4点を先制されるも、打線が直後に2点を取り返す。2回に千葉 柊弥内野手(2年=仙台三)の同点の2点適時打などで4点を奪い逆転すると、6回にも2点を追加しリードを拡大。投げては2番手の山田 悠太郎投手(1年=東北学院)と3番手の泉 陽泰投手(1年=三本木)が2回以降無失点に抑え、東北大の反撃を防いだ。
主将を務めた千葉は2点を追う2回、無死満塁の絶好の好機で打席に立った。高橋 顕法監督からは「力を抜いて、自分のスイングをしろ」と一言。その言葉通りの打撃で左翼線に安打を飛ばし、走者二人を生還させた。
新人戦の主将には同学年のチームメイトから「お前しかいない」と押されて就任。主将は小学生以来で、本人いわく「自分は引っ張っていくタイプではない」。それでも「プレーと姿勢で引っ張る」ことを意識して試合に臨み、逆転勝利の立役者になった。
今秋のリーグ戦で露呈した「得点力不足」を課題に掲げ、新人戦に向けてはチーム全体で打撃練習に重きを置いてきた。新人戦のメンバーは全員が下級生ながらリーグ戦を経験済み。「経験値ではアドバンテージがある。地に足をつけて戦えば打撃練習の成果を発揮できる。みんなでつないでいこう」と声をかけ、序盤の劣勢を跳ね返した。
宮城教育大はリーグ戦で44連敗中(不戦敗2試合を含む)。昨年と今年は新人戦も含めて全敗だったため、1、2年生にとっては入学後初の公式戦白星となった。「2年間、『なんで勝てないんだろう』と思い続けてむずむずしていた」と千葉。「それでも自分たちができることをやれば絶対に勝てると信じて曲げずにやってきたので、ようやく勝ちにつながってうれしい」と笑顔を浮かべた。
今秋のリーグ戦では東北工業大2回戦で勝利まであと1死からサヨナラ負けを喫し、東北大1回戦は8回まで同点ながら9回に7失点して敗れた。連敗脱出に近づいた2試合だったが、千葉は「負け癖がついている自分たちの甘さが出た」と振り返る。新人戦とはいえ、「甘さ」を払拭した1勝には大きな意味がある。
4日は秋王者の仙台大に挑む。千葉は「やることは変わらない。これまで徹底してきたことを、1試合通して継続するだけ」と力強く口にした。