<仙台六大学野球秋季新人戦:東北学院大3-1東北工業大>3日◇1回戦◇東北福祉大野球場

 3日、仙台六大学野球秋季新人戦が開幕し、東北学院大は東北工業大を下して準決勝に進出した。4回に先制を許すも、その裏、大久保 蓮内野手(1年=聖和学園)の2点適時三塁打などで3点を奪い逆転。投げては先発のルーキー左腕・田口 天太投手(1年=角館)が8回4安打1失点(自責0)と好投しリードを守り切った。

 先発の田口は4回こそ追い込んでから球が高めに浮き先制打を浴びたが、その後は「低めに集めてゴロを打たせる投球」を徹底し本塁を踏ませず。味方の再三の好守にも助けられ、「みんなに守ってもらえた。守備のおかげです」とはにかんだ。

 1年目からリーグ戦で春秋計7試合に登板。中でも主に先発を任された春は5試合、21回3分の1を投げ2勝1敗、防御率1.27と抜群の成績を残した。直球の最速は高校時代と変わらず137キロで特段速いわけではないものの、質の高いスライダーをはじめとする変化球を多投しテンポ良く試合をつくる。

 「元プロのコーチに教わりたい」との理由で東北学院大を進学先に選んだという田口。元プロのコーチとは、2022年から投手コーチに就任した杉山 賢人氏のことだ。杉山コーチは現役時代、西武などプロ野球4球団でプレーした経歴を持つ。ルーキーイヤーは新人王に輝き、通算333試合に登板。引退後は西武や楽天でコーチを務めた。

 田口は杉山コーチについて「同じ左投手で、頼もしい存在。質問をすれば絶対に良い答えを返してくれる」と話す。杉山コーチの助言のもと、元々持っていたスライダー、チェンジアップ、カーブの精度を上げ、新球種のカットボールを習得。さらに「カウント3ボールから直球ではなく変化球でカウントを取る」といった打者心理を逆手に取った投球術も教わっている。

 直球は球速こそ伸びていないものの、握力を強化したことで回転数が向上した。まだまだ成長途中の田口は「まっすぐの球速を上げて、仙台大や東北福祉大も抑えられるピッチャーになりたい」と力を込める。

 杉山コーチや同じく元プロの星 孝典監督の指導のもと地力をつけている東北学院大は、今秋は3位ながら、いずれもリーグ2位のチーム打率.307、チーム防御率1.19をマークするなど奮闘。仙台大、東北福祉大の「2強」との試合は勝利こそ挙げられなかったが、すべて2点差以内と肉薄した。今季を締めくくる新人戦で頂点に立ち、来年のさらなる飛躍につなげたい。