<仙台六大学野球秋季新人戦:仙台大7-0宮城教育大(7回コールド)>4日◇準決勝◇東北福祉大野球場

 4日に行われた仙台六大学野球秋季新人戦準決勝。仙台大は宮城教育大に7対0で快勝し、決勝に駒を進めた。

 仙台大は初回、3番・今北 孝晟内野手(1年=北海)の適時打で先制する。その後も着実に加点してリードを広げた。投げては今野 一成投手(1年=古川学園)、堀米 一宏投手(1年=日立一)、川瀬 泰成投手(1年=星城)のルーキーリレーで相手打線を封じ込め、7回コールド勝ちを収めた。

 今北は第2打席では右翼席へ運ぶソロ本塁打、第3打席では犠飛を放ち、2安打3打点。試合後は「リーグ戦で結果を残せなくて、結果を残すことより自分のスイングをすることを心がけてきた。今日はその心がけが打席で良い方向に出ました」と手応えを口にした。

 北海時代は3年時に主将を務め、昨夏の甲子園を経験。期待されたルーキーイヤーは秋のリーグ戦で開幕スタメンの座をつかむも、二塁の定位置獲得には至らず、打率.167(12打数2安打)と不本意な成績に終わった。「『レギュラーを獲る』という強い思いが空回りしてしまった」と今北。結果を求めすぎず、平常心を保って打席に立つよう意識を変えた。

 その効果が現れたのが10月の東北地区大学野球代表決定戦。初戦の東日本国際大戦に「6番・二塁」でスタメン出場すると、第1、第2打席は凡退したものの、第3打席で公式戦初本塁打となる一発を右翼席へ運んだ。今北は大舞台で飛び出した一発を「結果が出なくても自分のスイングを貫いたらホームランが生まれた。変に変えようとしたら打てなかったと思う」と振り返る。

 今北の言う「自分のスイング」とは何か。元々フルスイングが持ち味だが、大学では速球に対応するため「無駄を省き、最小限の動きで飛ばすスイング」を身につけた。とはいえフルスイングを捨てたわけではなく、「ボールによって打ち方を変える」。1パターンだったスイングの幅が広がり、より柔軟性の高い「自分のスイング」が出来上がった。

 北海から仙台大に進んでプロ入りした先輩には、ソフトバンク・川村 友斗外野手と中日・辻本 倫太郎内野手がいる。今北もプロ入りを目標に設定しており、「プロ野球選手になるために4年間本気で野球をやって、もしなれなかったとしても後悔なく終われると思い、仙台大を選びました」と強い決意を口にする。

 目指す選手像は「ホームランでもヒットでも空振りでも、一振りで『何かある』と思わせるような打てるセカンド」。東北福祉大との決勝もバットで牽引し、最高のかたちで大学1年目を締めくくりたい。