関東大会は横浜の17年ぶりの優勝で幕が閉じた。大会を終えて議論になるのは関東5枠目はどの学校になるかだ。来年のセンバツの関東・東京は6枠。まず関東4枠、東京1枠が決まる。関東5枠目と東京2枠目の学校を比較して、最後の6枠目が選出される。
東京都決勝戦の前に5枠目について考えていきたい。
実力面を考えれば、横浜を最も抑えた投手を擁する東農大二が有利!
まず関東の4枠は優勝の横浜(神奈川)、準優勝の健大高崎(群馬)、ベスト4の浦和実(埼玉)、千葉黎明(千葉)が選出されるだろう。5枠目を争うのは準々決勝敗退の東農大二(群馬)、つくば秀英(茨城)、山梨学院(山梨)、佐野日大(栃木)の4校だ。この4校の準々決勝の試合内容を振り返る前に、今年1月の選考経過を振り返っていきたい。
昨年、第96回大会で争ったのは関東5枠目の中央学院、東京2枠目の創価の2校で、選出されたのは中央学院だった。蔵並 龍之介投手、颯佐 心汰投手の2人を擁す中央学院の投手層が評価された。選考委員は創価の大会を通しての攻撃力の高さを認めたものの、決勝戦では5安打に抑え込まれた点を考慮。一方、中央学院は準々決勝で健大高崎の好投手から11安打を放ち、投打の総合力は中央学院が創価を上回ると評価して、6校目の選出に至った。
中央学院はセンバツで高い攻撃力と層の厚い投手陣で、ベスト4に進出した。中央学院の例から見ても、地域性よりも準々決勝の試合内容からセンバツで活躍できるチームを基準に選ばれることになりそうだ。
今回、準々決勝敗退の4チームの中で最もセンバツで活躍できる可能性を持った学校は東農大二であろう。理由はエースの山田 琉聖投手(2年)の存在だ。
184センチ77キロと上背があり、130キロ台後半の速球、鋭いスライダーを武器とするプロ注目の本格派右腕だ。準々決勝の横浜戦で先発し、7回を投げて、2失点、7奪三振、四球1の好投。初戦の帝京三戦では7四球、3失点だったが、しっかり改善してきた。関東王者・横浜を最も抑えたチームとして評価できる。守備では1失策をしたが、2併殺を記録し、要所でもファインプレーで失点を防ぐなど守備面が光っていた。ただ、群馬2位であり、秋の公式戦で2敗していることがマイナス材料だ。
個人的な感想になるが、準々決勝4試合で最もレベルが高いと感じたのは横浜vs東農大二だった。試合が引き締まっていて、4試合の中で、唯一、2時間以内(1時間54分)で試合が終わっていた。選考委員の目にはどう映るか。