個々の能力では秀でる佐野日大だが…

 準々決勝の健大高崎戦で7回コールド負けした佐野日大は、試合を見る限り個々の能力については4チームの中で最も高い。エース左腕・洲永 俊輔投手(2年)の速球は140キロを超え、120キロ台中盤のチェンジアップも良い。ただ要所で制球が甘くなり、健大高崎戦では6回を投げ、被安打13、10失点。平塚学園戦も5失点完投と、大きな課題が見つかった試合だった。野手でも健大高崎の剛腕・石垣 元気投手(2年)からヒットと三塁打を放った強打の1番打者・井上 遥翔内野手(2年)の打撃の完成度の高さはベスト4に入った打者にも負けていない。


洲永 俊輔(佐野日大)

 ただカバーリング、連係プレーなど細かなミスが多い。能力が高い打者が多い健大高崎横浜と比べるとその部分で大きな差を感じた。甲子園は右中間、左中間も広いので、こうした連係が出来ないチームは無駄な失点をしやすい。選手は魅力的だが、甲子園で戦うには物足りなさを感じた。

 実力から考えると東農大二だが、前大会の中央学院ほど推せる試合内容ではない。中央学院健大高崎相手にギリギリまで追い詰める戦いをしていたからだ。他の3校も同様であり、決め手を欠く。

 7日に早稲田実vs二松学舎大付の東京都の決勝戦が行われる。決勝戦の試合内容によって大きく左右されるだろう。都大会決勝戦を見て、関東・東京6枠目を予想をしていきたい。

【関東大会準々決勝の試合スコア】

横浜 2−0 東農大二

浦和実 2−0 つくば秀英

千葉黎明 5−2 山梨学院

健大高崎 10−3 佐野日大(7回コールド)