当たり前の基準を高めて
そうして迎えた秋、初戦で日大明誠に0対6で敗退。田中主将は、「エラーは3つ出てしまって、それが失点に繋がった。バッティングも3安打に抑えられて全然打てなかった」と攻守に課題を残した。
夏場を振り返っても、「守備で簡単なミスが目立っていた」とエラーから試合の流れを渡すケースが多く見受けられていた。自分たちにとっての負けパターンで秋を終えたとはいえ、日大明誠といえば、山梨県内では安定して上位進出を果たす実力校だ。
そんな日大明誠とともに帝京三、駿台甲府などベスト8の顔ぶれはある程度決まりつつある。「山梨でベスト8進出は1つのポイントになるくらい、大きな壁ですね」と保坂監督も感じている。
そこに入り込むためにも、「ロースコアが増えているので、守備のミスを減らすのは大前提ですが、そのうえで粘り強いバッティングとかはよく言っています」と語る。そのための練習量を通じて、当たり前の基準を高めるつもりだ。
と同時に、「主力だけが良いんじゃなくて、控えも強いチームになれれば、競争心も出ますし、気が抜けないチームになるので、日々しっかり準備して、どんな状況でも実力を発揮できると思う」と田中主将は話し、目標であるベスト4に向けて冬場を過ごすようだ。
「守備からだと思いますので、エラーしなければ、打たれなければ失点はしませんので、守備でしっかりと抑えて、どんどん繋いで攻撃をしていくバッティングをしていきたいです」
互いに指摘し合うなかで、競争心を促し、雰囲気をよりよくしていく。こうして心を1つにしてベスト4を目指していく甲府一。144年の伝統の重みも背負って、春以降は巻き返しを見せることができるか。
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