ドラフト会議の成果は1年でわかるものではなく、5年から10年かかってやっと答えがでてくるものだ。では今から5年前(2019年)のドラフト会議で指名を受けた選手たちは、2024年シーズン現在で戦力となっているのだろうか。球団ごとに振り返ってみたい。

 今シーズンパ・リーグを制したソフトバンクは、2019年のドラフト会議で石川 昂弥東邦出身)の抽選を外し、佐藤 直樹(報徳学園出身/JR西日本)を1位で獲得した。佐藤は昨シーズンオフに育成契約となったものの、6月に支配下へ復帰し主に途中出場だったが44試合に出場した。打撃面では打率.190(84-16)と苦しむも守備や走塁で存在感を見せた。

 2位の海野 隆司関西出身/東海大)は甲斐 拓也楊志館出身)がいることもあり、昨シーズンまでは出場機会が多くなかった。しかし今年はキャリアハイの51試合に出場。120打席に立った。来シーズンは本格的にレギュラー奪取へ向かっていきたいところ。

 3位の津森 宥紀和歌山東出身/東北福祉大)は中継ぎとして通算214試合に登板。71ホールドをマークし防御率2.75と安定している。シーズンの中で波があり、確固たる勝ちパターンには至っていない。しかしその実力は十分にある。

 5位の柳町 達慶応出身/慶応義塾大)も確固たるレギュラーではないものの2022年、2023年と100試合以上に出場。今シーズンは73試合と若干出場試合は減ったものの、9月21日の楽天戦で優勝マジックを2に減らす値千金のサヨナラタイムリーを放つなど存在感を見せている。左投手に対してやや分が悪い点を改善しレギュラー奪取を狙いたい。

 育成ドラフトでは1位で石塚 綜一郎黒沢尻工出身)、2位で大関 友久土浦湖北出身/仙台大)が支配下登録を勝ち取っている。特に大関は3年連続で投球回数が100回を超えており先発ローテーションの一員となった。故障や体調面での不安もあり規定投球回に到達したことはないが、計算できる投手の1人だ。石塚は7月に支配下登録を勝ち取り15試合に出場。すでにプロ初本塁打も放っており、一軍定着を目指す立場となった。

 ソフトバンクは2019年のドラフトで一軍の戦力を複数迎え入れている。このなかから確固たる主軸が誕生するか今後の成長が楽しみだ。

<2019年ドラフト会議でソフトバンクが指名した選手>

1位:佐藤 直樹(報徳学園→JR西日本)
2位:海野 隆司関西→東海大)
3位:津森 宥紀和歌山東→東北福祉大)
4位:小林 珠維東海大札幌)※2024年は育成契約
5位:柳町 達慶応→慶応大)
育1位:石塚 綜一郎黒沢尻工
育2位:大関 友久土浦湖北→仙台大)
育3位:伊藤 大将八戸学院光星)※2024年に戦力外通告
育4位:勝連 大稀興南
育5位:舟越 秀虎城北)※2024年は巨人でプレー
育6位:荒木 翔太千原台)※2022年に戦力外通告
育7位:村上 舜山形中央)※2024年に戦力外通告