<第30回MBC旗争奪高校野球選抜1年生大会:鹿児島商3-2れいめい>9日◇準決勝◇平和リース球場

 鹿児島商は背番号10の左腕・福元 隆綺、れいめいは背番号13の右腕・西尾 昇造。どちらも背番号2桁の投手が先発だったが、粘り強い好投で3回までは両者無得点だった。

 均衡が破れたのは4回裏。れいめいは一死から振り逃げで出塁し、3番・塗木 翔斗が右越え三塁打を放って先制した。5番・東園 悠生も右前適時打で続き、2点を先取した。

 直後の5回表、鹿児島商は二死一三塁と好機を作ると、1番・馬場 瑛大が中越えのランニング本塁打を放ち、逆転に成功した。

 鹿児島商は6回以降も得点圏に走者を進め、押し気味に試合を進めたが、れいめいは6回途中からエース青山 夢羽をリリーフで送り、追加点を許さなかった。

 れいめいは8、9回と先頭打者を出し、終盤で盛り返したが、福元が粘り強く投げ抜き、1点差で鹿児島商が競り勝った。

 「福元が良く投げてくれたのが勝因。チーム一丸で野球ができた」と鹿児島商・今井 蓮主将は胸を張った。

 4回にミスが絡んで先制されたが、直後に鮮やかな逆転劇を見せた。打撃不調だった先頭の6番・假屋 拓希が中前打で出塁。7番・福元のセーフティー気味の送りバントで、三塁ベースが空いているのを見て、假屋は一気に三塁まで陥れた。送りバントの場面で常に先の塁を狙う練習は今秋の練習で重点的に取り組んだメニューだった。「練習の成果を発揮できた」と今井主将。初戦の鹿児島玉龍戦で4打点を挙げるなど打撃好調の1番・馬場が鋭く中前に弾き返し、果敢に飛び込んだ中堅手のグラブを抜けて、バックスクリーン最深部に転がる逆転のランニング3ランにつながった。

 終盤のピンチの場面でベンチは継投も考えたが、福元の気持ちの強さに託し、その期待に応えて、最後まで追加点を与えなかった。

 決勝の相手は県内無双を誇る神村学園だが今井主将は「チーム一丸で初優勝を目指す」と張り切っていた。